「国の借金最高827兆円、国民一人当たり648万円」の大嘘!


財務省は6月23日国債や借入金のどを合計した「国の借金」が2005年末現在の合計で827兆4千8百5億円になったと発表した。04年度末と比較して約46兆円、約6%増加して過去最高になり、マスコミは一斉に「国民一人当たりの借金は648万円になった!」と報道した。また6月25日のサンデープロジェクト(8チャンネル)で財部氏は、日々増え続ける国の借金額を財務省などの政府建物の電光板で秒単位で流すことを提案していた。増大する国の借金を国民に認識してもらおうとする試みである。

「国民一人当たりの借金は648万円になった」はとんだ間違いであることを指摘しておきたい。何が間違いか? それは、「債権者と債務者を混同している」からである。日本の国の借金、すなわち国債、地方債、公的借入金の債権者の約93%は日本の国民である。国民は国に対して債権者であり、国の借金が増えるほど、国民の債権は増える。それを、いかにも国民の借金(債務)が増え続けているかのごとく「嘘」を煽ろうとしている。当然政府の利払いが増えるほど国民の受取利息が増えるのは言うまでもないこと。

さらに重要なことは、国の借金でどれだけ国の純資産が増加しているかを考えようともしない片手落ちをしている。国の純資産は国の借金の増加率の数倍のピッチで増加している。借金の額ばかりを騒ぎ、肝心の「何のための借金か」を忘れ、「借金の結果」を見落としている。

アメリカ政府の借金の債権者の約50%は外国である。中でも日本は最大の債権国である。同じやるなら、財務省の建物の電光板で増え続けるアメリカの借金額を流し、毎秒いくら日本の債権が増えているかを国民に見せてはどうか。

朝から晩までよくも飽きずにバカらしい嘘を真面目な顔をして吹聴するものだ。
本当に日本は、暇で、幸せな国だ。

(2006年06月26日)