アメリカのManifest Destiny

民主党の菅さんがManifestの真の意味も知らないで「マニフェスト」を流行語にしたばかりか、日本の全政党に誤用させてしまった。

マニフェストの本当の意味は、「政策」ではない。政策は時代や現状によって変わるもの(変わって当然)だが、マニフェストとは、時代を超越して貫かれる民族や国家の不変の使命のことである。

「わが党の年金政策は、、、」などと言ったことはマニフェストではない。先般の参院選でマニフェスト合戦をした日本は、世界の恥さらしであった。

さて、アメリカの大統領選は私が早くから太鼓判を押したようにブッシュ再選となったが、選挙中に「理由なきイラク戦争」や、「ブッシュは初めからセプテンバー・イレブンを知っていた」ことなど、ブッシュの悪事の数々を自分の陣営から曝け出しておいて当選したのだから、アメリカの国民はブッシュの悪党振りを承認したことになる。

従ってブッシュは国民に対して、今後、更なる悪事を重ねる責任を背負ったのである。

その第一巻として、2005年は大中東戦争を始めることになる。

勿論、アメリカが第二次大戦に参戦することが必要になったため日本に真珠湾攻撃をさせたように、中東戦争も誰かにイスラエルの首都テルアビブをミサイル攻撃させて「サウジ・アラビアが関係している」ことにして、アラブ諸国対イスラエル戦に持ち込むつもりだろう。

アメリカのイラク攻撃も、無理矢理にセプテンバー・イレブンの報復にしようとしたが、サダム・フセインはアルカイダと無関係であることが直ぐにわかってしまった。

真珠湾攻撃がアメリカの「やらせ」であったことは、何十年か後にアメリカが発表するまで分からなかったが、最近のアメリカの「仕事」はいたって不注意極まりない。こんなことでは亡きルーズベルトに怒られる。

最近のアメリカのトリックはすべて1年以内に化けの皮がはげる。

日本でトピックスの在日米軍再編成も、沖縄の負担軽減でごまかしながら、実際は来るべき(2012年頃)中台戦争に備えていることは周知の事実。

米軍再編成とは、米陸海空三軍の司令塔をアメリカから日本に移動し、中国の大陸弾道弾をアメリカではなく日本へ集中させる自国のリスク回避以外のなにものでもない。

中東戦争で全中東の石油を支配したら、次は中国の市場と労働者の支配である。

その後は日本を表にだしてアジア共同市場を作らせてからドルの支配下に置き、また中南米もドルの支配下に置く。

アフリカはEUと市場争いになるだろう。

ドルが下がりだすと何時も言われるのが、「アメリカはやがて崩壊する」である。

アメリカのManifest Destiny(世界制覇)は、今始まったばかりである。ローマは一日にしてならず、パックス・アメリカ−ナは10日にしてならずである。

クリントン政権は市場原理をフルに使ってアメリカを繁栄に導いたが、ブッシュは世界にテロの脅威を捏造することにより「アメリカと共にテロと戦おう」の号令で世界をアメリカに従えようとする。

アメリカの覇権の推進と維持のためには常にどこかで戦争をしていなくてはならない。

アメリカが支配しようとしている国がテロの危機にさらされていることが望ましい。

狙った国へ安全保障の名のもとに米軍を駐屯させることが出来るからである。テロを利用して世界をアメリカの軍事覇権下に置こうとするのがアメリカの戦略である。

今後20年間はアメリカはマニフェストを貫く。どう転んでもアメリカの世紀である。

(2004年12月13日号)