日本経済とアメリカ経済は100%異なる点とそっくりな点とがある。
異なる点は、アメリカが脱工業主義で消費大国であるのに対して日本はモノ造り大国で贅沢、派手を好まぬ貯蓄優先国家である点。

類似点は日本もアメリカも絶対に財政破綻しない点である。
類似点についてピンとこない向きが多いと思うので説明する。
アメリカは赤字補てんのためにいくら通貨を増刷しても通貨インフレにならない特典を持っている。つまりドルが基軸通貨であるため第三国間の貿易でドル需要が創造されるのでその分ドルを刷ってもドル価は下がらない。
だから恒常的赤字国家であってもドル価を下げることなくドルを刷り続けて赤字補てんが出来るのである。

一方日本は現在でも国家の負債(赤字)である国債のほぼ100%は国民が保有しており、新たに国が赤字国債(建設的目的ではなく金利など赤字のための赤字国債)を発行すると国民が待っていましたとばかり買う。
国民が国債を国際的に売却することは国債価格暴落となり正に自殺行為になるので日本の国民は否が応でも国債を買い続けざるを得ない。
その結果日本政府はいくら赤字国債を発行しても債券価格を下がることはない。今日のように国債発行額がGDPの218%という天文学的数字に達しても円高傾向が続いているのである。

日米安全保障条約は軍事面だが、実は経済面でも日米はゆるぎない経済安全国なのである。


(2010年06月09日)