第673号(2011年9月8日号)

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世界的政治力低迷時代

オバマ大統領は9月8日木曜(アメリカ時間)に雇用増大計画を発表し超党派的議会の立法化を求めるが、私が得たワシントン情報では真新しい内容ではない。
予算規模は$300 billion(約23兆円)でインフラ設備投資、中低所得層への減税と地方政府への財政支援が中心となっている。
2007年末からの不況対策として日本円換算で約70兆円規模の景気刺激策を実行した内容と同じであるから即効性は期待出来ない。


何処の国でもそうだが最近の政治は総て「事なかれ主義」に陥っている。
何事であれ問題の基本を見極めた上で大英断を下すリーダーはいなくなった。
その意味では日本は政治後退先進国である。アメリカをはじめ先進国の政治は今や総て日本化しつつある。自らの国家指針と政治、経済戦略に命を掛けるような迫力が感じられる政治家は皆無になってきた。大統領候補も総理大臣候補も消去法(ババ抜き)で決まる時代である。日本は小泉純一郎内閣以来今日まで一貫して「ババ抜きリーダー国家」を続けてきた。そして今や世界が、そしてアメリカが日本に「右へ習え」になろうとしている。


さて成りもの入りのオバマ雇用増大政策だが、アメリカ経済の病根(基本問題)除去するにはほど遠い。とにかく今のアメリカの急務はアメリカから逃避する資金を止めると同時に、海外のアメリカ企業の余剰金を国内に移動することである。「金無しに資本主義は機能しない」という基本を忘れている。
オバマ大統領は演説は上手だが、今やアメリカの国民は口先だけの空虚さにうんざりしている。だからオバマ大統領の支持率は低下を続けている。

増田試案

私はドル崩壊を防止する唯一の戦略として本年1月友人のシンクタンクを通して、米国以外の第三者間貿易で生じるドル需要で金(ゴールド)を買い占めることを勧めたが以来金は一直線で上昇してきた。そこで次を同じ要領で提案した。
ドルの流出を止める大胆な戦略は思い切ったドル高政策である。アメリカの経済体質は脱工業主義で日本や中国と異なり輸出(外需)依存ではないからドル高に依る輸入物価の下落と国内資産価値の上昇は輸出競争力低下のマイナスをはるかに上回る。ドル高効果に依る消費と住宅需要増が経済政策の基本にならなくてはならない。QE2の廃止とドル価下落に依る資金逃避を補てんするにはかつて(2004年)行ったような時限立法措置(海外の米法人が海外で利益計上を先送りし続けている余剰資金を米国内に送金した場合は法人税35%を5%にする)を採ればいい。そうすれば一瞬にして最低でも300兆ドルは帰国してくる。こうした基本方針で市場を「強いアメリカ」に誘導する以外に今日のアメリカ経済を回復に向ける道はない。
しかし残念ながら私の提案を10日以内に実行することは不可能だから、アメリカの程度の悪さに辟易しているアメリカの利益代表であるユダヤは、アメリカのためと祖国イスラエル存続のため最も単純な道を歩まざるを得ないだろう。
何とかにつける薬は無いとはよく言ったものである。


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