「人の命は地球より重い」!
11月1日は今日のEU(欧州連合)創設を決めたマーストリヒト条約発効から20年目に当たる記念日。1989年11月「ベルリンの壁」が崩壊され「鉄のカーテン」がなくなるとEU諸国の前に二つの大きな脅威が出現した。一つは東西ドイツ統一によるドイツの強大化であり、他は旧ソ連崩壊で鉄のカーテン消失による東欧貧困国家群の出現である。ウクライナ、グルジア、ベラルーシなどで起きた民族紛争で何十万人の難民が西側諸国へ押し寄せようとしていた。
EUは1999年単一通貨「ユーロ導入」と政治的統合の枠組みでドイツを縛ると同時に東欧十カ国加盟で域内の政治・経済の安定化を図った。1993年の加盟国は12カ国であったが現在は28カ国、人口も3億5,000万人から5億7,000万人の欧州大連合に拡大した。
EUが目指すのは金融監督行政を一本化する銀行同盟、欧州一体で資金調達する欧州共同債機構、通信、運輸等の一元化等の財政・政治統合であるが、ここのところ深化が見られない。フランスでもドイツでも自国の税金で南欧を救済することに反対の声が高まりEU脱退支持層が急増している。
巨大ドイツと東欧からの難民脅威が梃になって全欧州の政治・経済統合が進展してきたが、ベルリンの壁崩壊の興奮や戦前のナチスの記憶が薄れてきた今日欧州大連合の推進力は失せてきた。
しかし私の知る限り、欧州を政治・経済大共同体とし、衰退の一途のドルに代わってユーロを国際基軸通貨にする野心は失せてはいない。
「人の命は地球より重い」と言う。
本誌でも述べたが、私は2006年以来度々欧州で開かれたある会議に出席している。「アラブの春」の指導者たちとアメリカとイスラエルとの接点であり、「アラブの春」を演出するための情報交換の集まりである。「アラブの春」によりシリアは言うまでもなく中東で一日約3万人の「難民」が創造されている。
難民と言う「核兵器に勝る脅威」で欧州統合を深化させる戦略が着々と進められている。
「アラブの春」の演出と難民創造の狙いは欧州弱体化であるが、欧州の「知恵」に利用されていることにアメリカは気が付いていない。
NY(アメリカ)はCITY(イギリス)の10倍のマネーを扱うがNYはCITYの単なる出店でしかないことを知らないように。欧州を巡るマネーと知恵の葛藤の様を次の「小冊子」(Vol.51)で詳しく述べることにしている。
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