第904号(2014年4月24日号)

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日米首脳会談 

日米首脳会談の声明文に安倍首相は、「尖閣諸島は日本の施政権下にあり、不測の事態に際しては日米安保により米軍は安全保障行動を執る」と明記してもらいたいところだが、TPP交渉で豚肉その他の関税率で大筋の決着がつかなければ、ケリー現国務長官やヘーゲル国防長官の発言を大統領の口から言ってもらうにとどまるだろう。オバマ大統領は中国に対しては一貫して「弱腰」で通してきた。ヒラリー前長官に代わって力を背景にした外交を好まぬケリー長官を任命、さらに中東戦争を仕切ったパネッタ国防長官に代わって、核廃絶を主張しベトナム戦争に反対してきたヘーゲル氏を新長官に任命した。さらに親中国派でG2(中国とアメリカでアジアの安全と秩序を仕切る)を掲げる国連大使スーザン・ライスを安全保障担当大統領補佐官に抜擢。共和党タカ派に「対中弱腰、腰抜け外交」と言われるように対中「気使い過ぎ」の外交指針である。
今回の私の「小冊子」(Vol.56)で、「オバマ大統領の役目」という項で詳しく述べるが、対中、対ロのオバマ弱腰政策には「深い意味」がある。
安倍首相が望むオバマ大統領の対中「強気メッセージ」は「故あって」オバマ大統領が望むところではない。日米TPP交渉が決着出来なければオバマ大統領にとっては「きつい言葉」を中国に発しなくて済むから幸いである。
オバマ大統領の本来の務めは習近平中国国家主席をより増長させて尖閣諸島に攻勢を掛けさせることであり、ロシアのプーチン大統領に対しては、ウクライナから始まって他の旧ソ連衛星国へ積極的に進出させることである。
中東の民主化も旧ソ連圏の民主化もすべて失敗、アメリカは中東から、東欧から撤退。つまりアメリカと言う犬が尻尾を巻いて逃げている姿を中国とロシアに見せるのがオバマ大統領の本来の務めである。オバマ大統領は今のところ見事に役目をはたしている。やがて日本の利益にもつながることだから、本当は、ここは安倍首相は、あまりオバマ大統領に無理な頼みはしない方がいいのである。ミスター弱腰のケリー国務長官や、まるでべ平連並のヘーゲル国防長官が尖閣諸島については何度も談話を繰り返しているのだから、その踏襲と言うことにした方がいいのだが、、、。
日本は、「待てば海路の日和かな、、」ということもある。



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