第942号(2014年11月4日号)

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黒田日銀総裁追加緩和爆弾発言のタイミング

私は「異次元金融緩和」を「異常金融緩和」と呼んできた。
異常と言うのはFRBの5年遅れというタイミングと、GDP比でFRBの3倍という異常大型緩和量である。
黒田総裁が異常緩和を発表した2013年4月4日、すでにFRBは日銀に緩和縮小発表が5月早々になると伝え日銀に何をすべきか示唆していた。
FRBの3倍の緩和量はFRBが緩和出口後の資金供給減を補填するのにぴったりの量であった。
10月31日の俗に言うバズーカ発言のタイミングは計算されたもので、丁度FRBが完全に緩和を停止する日であり、また中間選挙における共和党優勢で財政引き締め懸念が出始めている市場に活を入れる時であり、11月10日からの北京APECまではアメリカの市場を盛り上げておく必要があったからだ。
日銀短観(9月)が示すように日本の景気は徐々に上向いているし、為替についても大手輸出企業の設定レートは100円だから106‐109円以上に急激に下げる理由は全くない上、日本経済は欧州のようにリセッションに陥る可能性はないことは日銀が一番よく知っている。
FRBが10月をもってQE3の出口にした理由は、FRBのバランスシートが世界一の不良債権、返済の可能性が皆無の米国債の比重が増加し過ぎ、やがてFRBの信認問題になる事が明らかだからだ。
更に5年以上、400兆円以上の緩和で物価の最大要因の所得は伸びるどころかマイナス、GDPもインフレ率換算でゼロまたはマイナスであった。
アメリカ経済を自律成長させるための5年以上にわたるFRBの金融緩和政策は完全に失敗に終わり、副産物として金融市場バブルを残したのである。
このFRBの失敗を知りながらの日銀緩和だから2013年4月の日銀緩和政策以来日本の所得はマイナス、GDPも下降線なのは当然の結果。
黒田総裁は金融緩和の大リスクを知りながら何故ここで再びバズーカを発射したのか。
FRBの金融政策が失敗に終わり、残した副産物は金融バブル崩壊のみ。
この期に及んで待っていましたとばかりFRB失敗の「補てん係り」の登場!
黒田総裁のアメリカの為の意図的円安政策で日本の産業の米であるエネルギー価格は高騰、電気代値上げ、ガソリン代値上げ、中小企業の原材料高騰、、、等々の日本を尻目に黒田総裁はバズーカ砲遊び。喜ぶのはアメリカだけ。
「黒田さん、ご苦労さん」とは高騰する日本の株を最高値で売ってアメリカに持ち帰る皆様からのお言葉。
政治年齢はついに7歳、日銀はマイナス7歳、、まだ産まれていない!
存在しない方を非難しても始まらない。すべては夢のごとく、ただ悪夢にならぬことを祈る。

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