第945号(2014年11月12日号)

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北京APEC(アジア太平洋経済協力会議)

北京APECでの安倍・習近平首脳会談は福田康夫元首相や第一次安倍内閣時の外務次官、現国家安全保障局長谷内正太郎たちの努力で何とか実現した。
私はアメリカの通信社の公式、非公式APEC映像を見たが、習近平主席の安倍首相に対する態度は、明らかに意図的と思われるほど冷ややか、かつ無礼であった。韓国メディアは「習主席に門前払いを食らった安倍首相」などと報道していた。中国国務院のY氏がL.A.に来ているので別件で話しをした際、日中首脳会談について氏の考えを聞くと、「いろいろ日本は安倍・習首脳会談のため努力を重ねていますが、中国と日本の共通の利益は何かを日本側から明確に示さないで、ただ会いたいではね、、会ったところでお恥をかくのが落ちでしょう」と言っていた。ところが米中は本年6月習主席が訪米、加州パームスプリングのリゾート豪邸でオバマ大統領とまるで生活を共にしているがごとく親密に話し合った。その時の習主席からの提案が「B2」(米中二大国でアジアを仕切る)の考えであった。オバマ大統領は即答を避けたが直後当時国連大使で親中派の代表格のスーザン・ライス(黒人女史)を国家安全保障(NSA)担当大統領補佐官に任命することにより中国の提案受け入れのメッセージを送った。
今回習主席はオバマ大統領、ケリー国務長官、スーザン・ライス氏を私的に夕食に招くなどして丁重な扱いをした。APEC後(12日)さらに両首脳と実務者が米中協力関係の推進に向けて話し合うことになっている。
オバマ大統領が北京に着き、習主席に会った時の最初の言葉は、「二国間の関係を新たな段階に引き上げよう」であった。つまりB2関係をさらに強固にしようと言うメッセージである。
“ China wins, US loses at APEC”(APECで中国の勝ち、アメリカの負け)の見出しがワシントンDCで飛び交った。
中間選挙で両院を野党共和党に奪われたオバマ大統領はAPECでも中国に負けたと言う。つまり米中2カ国でアジアを仕切ろうと中国が言い出した時スーザン・ライスを安全保障担当大統領補佐官に任命して中国を喜ばせ、今またライス氏を国務長官に任命する意向を示して、さらに中国を喜ばしたからである。「相手に諂(へつら)った方が負け」なのである。日本は、何も恥をかくための努力などせず、アメリカに中国に対して日米中首脳会談を開催するよう要請させればよかったのである。条件はFRBが喜ぶ黒田日銀の大規模追加緩和。アメリカが応じなければ日銀短観で日本経済は緩やかだが順調であることを理由に日銀に「いずれ緩和を縮小する」と発表させましょうかと言えばいい。日銀発表と同時にNYダウは暴落。APECでオバマ大統領は袋叩きになる。それがいやなら中国に三国首脳会談を要請して下さいと言えばいい。アメリカが中国に要請していれば、たとえ三カ国首脳会談が実現しなくても安倍首相が習主席にゴミ扱いにされることはなかった。ところが黒田総裁は国民をゴミ扱いにして大量資金をNYに流して「FRBに諂った」。諂う者は「負け犬」!自ら負け犬を買って出た日本、しかも国民を犠牲にして、、、。日本の政治家は「政治力学」を(私から)学んで欲しい。
次の「小冊子」(Vol.62)は「2015年大予測」です。




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