増田俊男の「ワシントン緊急レポート」発信中
FRB(連邦準備理事会)の利上げの目的
2008年10月からFRBは緩和政策を始め、2014年10月末を出口としたが、今なおゼロ金利政策は維持しているからFRBはまだ「緩和モード」である。
株価にとって「Bad newsはgood news」であると言ったが、「アメリカの経済ファンダメンタルズが悪くなるとFRBの利上げが遠のくから株価が上がる」と言うカラクリのことである。アメリカ経済が良くなるとFRBは利上げをするので「引締めモード」となり株価は下がる。このように株価は経済にはかかわりなく中央銀行が「緩和モード」か「引締めモード」かにかかっている。
私は「ワシントン緊急レポート」で「FRBはアメリカ経済ファンダメンタルズが良かろうと悪かろうと利上げに踏み切る」と述べている。「FRBは恐怖に怯えながら利上げを延ばしている」のである。利上げの前に「株価暴落、再度リセッション入り」となったら打つ手がなくなるからである。これこそ前FRBバーナンキ議長が最も恐れていることである。イエレンFRB議長は勿論、全連銀総裁は「アメリカの債券市場、株式市場、さらに不動産市場は必ず崩壊する」ことを百も承知している。株価が高値を回復しいているのにハイイールド債は3%以上下がり、利回りは年初の5.2%から7.98%に上がりさらに上昇の様相である。全社債$7.8 trillion (940兆円)の内$2.5 trillion(300兆円)はシェールガス・オイル生産者等ジャンクボンドだが今年47社がすでにデフォルト(債務不履行)、リーマンショック以来最大規模。大手ファンドは次々に債券市場から撤退しているから、日銀とECBの追加又は緩和連続による買い支えが止まったら万事窮す。12月FRBの利上げと同時に株価が暴落したところで日銀とECBが追加緩和を行い、株価を上昇気流に乗せながら0.25%の利上げを繰り返し、来るべき大暴落まで利下げの蓄えをすることになる。ポールソン元財務長官と議会の約束で「今後はリセッションになってもBail out(財政支援)は一切しない」ことになっているのでFRBは緩和が出来る用意しておかねばならない。経済にかかわりなく株価、債券価格、不動産価格は上がる(上げる)のだから、暴落も経済に関わりなく起きる(起こす)。来年の世紀の暴落を第二の暴落とするなら、第一の暴落は年内だが、アメリカの債券市場にすでに兆しが見えてきた。
ワシントン緊急レポートの「転ばぬ先の杖」をご参照下さい。
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