1046号(2016年1月27日号)

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安倍晋三、取り戻せるか自主政治

「日本を取り戻す」は安倍首相が掲げた選挙スローガン。
憲法第9条(戦争放棄)改正でかつての大日本帝国かの心配もあるだろうが、私は、「主権を(アメリカから)取り戻す」の意と解している。
「日本はアメリカの属国だ」とよく言われるが、実際のところは首相を経験した鳩山由紀夫が一番よく知っている。「対米従属から脱する」と首相として公言したため、虎(米)の威を借るキツネ(官僚)に首相の座を追われた。
第一次安倍内閣は、歴代の内閣で初めて「自由と繁栄の弧」という自主外交政策を打ち出した。
(官僚べったりの)マスコミは全く冷ややかであったが私は深く感銘を受けた。
ちょうどその頃(2006年6月)アメリカとヨーロッパの保守系シンクタンク主催の欧州安全保障に関する国際会議(チェコのプラハ)があり私は招待されていた。G7(ドイツ)に向かう途中であったブッシュ米大統領が立ち寄り「アラブの春」の戦士たちを励ますことになっていた。
私は日本にとって初めての安倍首相の自主外交をブッシュ大統領はもとより多くの影響力のあるメンバーに知らす絶好のチャンスと思い、当時の麻生外務大臣と谷内外務次官の署名入りドラフトを全員に配布し、分科会で「アジア、中東、欧州の弧状の地域に民主主義と法のもとに経済繁栄をもたらすために日本が考えた国際政策」を説明した。私はディナーでブッシュ大統領、チェコ外務大臣、イスラエル副首相に次ぐ席が与えられ光栄の至りであった。(不思議なことに日本人は私と妻だけであった)大勢から「日本も一人前になった」と言われ安倍首相の名が知れ渡ったことは私にとって大きな喜びであった。
ところが安倍自主外交は虎の威を借る霞が関の狐に潰され、安倍首相は病に倒れ安倍政権は終わった。
第二次安倍内閣になってからの安倍首相は、官僚から靖国神社参拝を止められれば素直に従うなど一見対米従属に見えたが、「日本(主権)を取り戻す」は忘れていなかった。
本誌で解説したが、1)安倍首相は三菱重工と川崎重工がオーストラリアの潜水艦10隻の技術供与付き受注を促し成約の運びとなった。この先にあるのは日豪軍事同盟。2)昨年末4年間もめ続けた日韓慰安婦問題を一挙に解決、日韓防衛協定にこぎつけた。3)報道の通りロシア訪問を決め、年内プーチン大統領訪日、日ロ急速な接近である。4)中国の南シナ海人工島拡大を理由に自衛隊の防諜活動を拡大。
1)は日米安保や米豪安保に頼らずアメリカの同盟国自身の責任で自らの安全を守ろうという脱アメリカ政策。2)も同じ。3)アメリカとNATOが欧州にロシアとの対決を強く求めているのに日本は対ロ接近。4)アメリカは常々日本の対中刺激を制してきた。
1)から4)がどんなことだかお分かりだろうか。日本の首相は一つ間違えば田中角栄の運命。安倍首相がやったこと、やろうとしていることは一つではない!ご安心ください。安倍首相は無謀ではなかった。
調べたら「アメリカは承知の上で大歓迎」。今のアメリカは第一次安倍内閣時のアメリカではないということ。
安部首相、ラッキー!日本主権復活万歳!
*詳しくは「小冊子」(Vol.76)をお読みください


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