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1197号(2017年10月2日号)
小池百合子の決断

私はかねてから小池百合子は「大した政治家だ」と述べてきた。
政治力学で最も重要なのはタイミング感覚に伴う判断力である。
小池氏の歩みを見れば誰でもわかる通り政権の変転の波にタイムリーにしかも巧みに乗って泳ぎ、頂点へ一足飛びのところまで来た。
増田家の家訓は「波の乗って巧みに泳ぐ」であるが、小池氏は正に我が家の家訓を地で行っているようだ。
小池氏の出馬について私の深読みの考えを述べたい。
小池氏は希望の党発表を若狭氏にも細野氏にも1時間前まで明かさなかった。
そして自分は出馬しないと言って、難しい公認の人選、選挙対策と準備を二人(若狭、細野)に任せ、小池氏から見て過半数が取れる体制が整うのを待って出馬する。
これが天下人の作法である。
前回の本誌で小泉進次郎氏(小泉純一郎子息、自民党副幹事長)が希望へ鞍替えしたら自民党は「ぶっ潰れる」と述べたこともあって、氏の言動に注目してきたところ、氏は「小池百合子さんには是非出馬して欲しい」と述べた。(暗に小池内閣を期待した発言)
小池氏は都知事として最大の問題であった豊洲・築地問題を決着し、オリンピック担当副知事に方針を明示しているから、東京都は今後小池氏が都知事でなくてはならない状態にはない。
小池氏にしてみれば、自身の政権選挙準備が完了した絶妙のタイミングに安倍首相がチャンスをくれたことになる。
政治力学に秀でた小池百合子氏がベストタイミングを逸することなどあり得ないのである。
希望の党の準備次第だが、よほど難しくなれば小泉純一郎氏に助けを求め小泉進次郎氏の自民からの移党となるだろう。
緑のスカーフで日本全国津々浦々を走り抜け都議選ブームを再現出来るか見ものだ。
トランプをはじめ、今世界は常識を逸した政権交代ブームである。
世界のブームまでもが小池氏に味方していると言える。

小池氏の保守理念は「小異を捨てて大同に就く」で窓口の広い広義の保守結集で、安倍晋三氏の狭い極右的保守と一線を画そうとしている。
どちらが勝利しても今後日本はリベラル(左派)受難の時代になろうとしている。
小池氏は保守の間口を広げるが、リベラルは締め出し、日本を保守本道にリードしようとしている。久しぶりに日本の政治が面白くなってきた。


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