第397号  (2007年1月16日 国会議員号)

増田俊男事務局 http://chokugen.com
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円高、株高、不動産高!

しばらく経済についてのコメントがなかったため、問い合わせが多くなってきている。

「決定的なこと」はハドソン研究所のHerbert Londonさんとの勉強会で明らかにしようと思っているが、2007年は円高・株高・不動産高になることは間違いない。理由は、難しく言えば、「日米経済の構造的変化」ということになる。アメリカ経済は内需依存から外需依存へ、また日本経済は逆に、外需依存から内需依存に変わる。だから、トレンドとして、世界経済のイニシアティブはアメリカから日本へ移ることになる。

小泉内閣がアメリカ一辺倒の間はアメリカが世界経済のイニシアティブを握っていたが、「ものを言う日本」、「多角的外交」(アメリカ一辺倒ではない)を標榜する安倍内閣になると主導権が日本に移ってくる。偶然とはいえ、政治と経済のトレンドが一致してきた。

日銀が次の金融政策決定会合で利上げに踏み切れば、このトレンドが進行することになる。利上げに関して、「ここまで改善した日本経済に水を浴びせるようなものだ」という議論があるが、私はこうした見解は「無知の見解」と呼ぶ。頭がグローバルになっていない。徐々に利上げをすれば、世界から(特にアメリカから)緩やかに日本に資金が流入する。これは日本の金融資産の増大につながり、株価や不動産価格を上げる。

世界の金融センターになるのは、資金が流出する国ではなく流入する国である。他人の金でも、自分の財布にある限り、金の自由裁量権は自分にあるからである。日銀の利上げ継続は、日銀の日本経済に対する自信の表れでもあり、「世界経済のイニシアティブは日本」のシグナルにもなる。

円高は、モノ作り国であり、かつ加工貿易国である日本のコストダウンとなる。また、円高による輸出競争力のマイナス分を内需喚起で国内に向ければ、製造コスト、販売コストダウンで共に国内のほうが有利だから、内需依存型はより大きな企業収益につながり、またその利益は国内に波及する。


2007年は「経済好循環の時代」である。


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発信者 : 増田俊男
(時事評論家、国際金融スペシャリスト)