ローカル通貨が基軸通貨の真似をしてはいけない 日本人の貯蓄率の低下が止まらない。家計の貯蓄率は、1990年の15%から2005年には3.1%になった。アメリカも90年の7%から、現在はマイナスになっている。下落の推移を見ると、まるで日本はアメリカを追いかけているようだ。ここのところ(8年間)家計所得がほとんど伸びなかったことや、高齢化などの構造的要因が原因と考えられるが、やはり最大の理由は、日本人の生活のアメリカ化だろう。アメリカは消費大国で、消費性向100%の国。いわば「宵越しのカネは持たぬ」国だからだ。 私は日本に警告を発したい。日本は消費性向と貯蓄率において、アメリカと同様になってはならないのである。その最大の理由は、日本の円は基軸通貨ではなく、ローカル通貨であるからである。サダム・フセインが2000年11月にイラク原油の決済通貨をドルからユーロに変更したため、日産300万バーレル(単価50ドルとすると)の代金$15.ミリオン(約18億円)のドル需要が突如として消えてしまった。イラクの原油のおかげで増えていたドル需要を元に、新たにドルを印刷して累積赤字を払っていたのだが、それができなくなったのである。だからアメリカはイラクを侵略して、原油決済通貨をドルに戻したのである。 このように今日の資本主義体制の下では、アメリカの借金は他国が払うシステムになっている。だからアメリカは貯蓄率がマイナスになって何も心配することはない。ところが、日本は(北朝鮮のように)国際基軸通貨であるドルを印刷することができないから、貯蓄率がマイナスになると資金不足を来たして一国の経済運営ができなくなる。このあたりで、アメリカの真似をしていいものと、悪いものの整理を明確にしておく必要がある。 今日からまたワシントンに出張です。追って日本のためになる真の情報をご報告します。 ところで、私はハワイ情報では誰にも負けないと自負していますので、少しでもお役に立てればと、「実益になるハワイ情報」をwww.chokugen.comに掲載することにしました。 ご利用ください。 ロンドン氏特別勉強会のお知らせはこちら
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