お詫び 昨日お送りしました本稿「時事直言」の中で大変不適切な表現がありましたので、お詫びを申し上げるとともに訂正させていただきます。現時点でどなたからも注意や抗議はございません。2ページ目の本文、下から3行目に、まあ、「馬鹿につける薬はない」ので、野党に代わって……の箇所です。「馬鹿」という表現は禁句であり、この場合野党を侮辱する表現と解されます。私は民主党にも他党にも友人や尊敬している方が大勢いますので、まったく不本意な表現でした。 普段私は本稿の原稿を「一気に」書き上げ出版編集部にメールします。編集部は誤字や数字の間違いや禁句などを訂正して私に送り返してきます。No.401号が発信されたのは日曜であったため編集部は出勤しておらず、日曜出勤の部外社員が校正なしで送ってしまいました。まったく「悪意」はございませんので、野党の皆様にお詫び申し上げます。 柳澤伯夫厚労相と私の不適切表現の共通点は、悪意がなかったことです。つい「勢い」に乗って表現して(言って)しまったこと、大勢の人に誤解を与えたこと、昨日の選挙(愛知県知事選・北九州市長選)に影響を与えたこと(私のHPのアクセスは登録で5万以上、不定期アクセスで30万人以上)等です。違った点は、私は他から注意や抗議を受ける前にお詫びと訂正ができたことです。いかに私がアメリカ的戦略に長けているといっても、故意に選挙前と後で表現を変えるほどではございませんのでご理解願いたいと思います。 北朝鮮問題は終わった[ブッシュの年頭教書から北朝鮮の名が消えた!] 『そして、日は昇った』(PHP)で詳しく述べた通り、北朝鮮がなぜ2006年7月5日にミサイル発射、また10月に核実験を行ったのかがお分かりになったと思います。2005年9月19日の6カ国協議での合意(北朝鮮の主権を尊重することで合意)から4日後にアメリカは北朝鮮に対して、核とは無関係要因(偽米ドル札と偽タバコ)を理由に金融制裁を課しました。このことはアメリカが北朝鮮に何らかの報復行為を促したことを意味しました。また、アメリカが3−5月の時点で、北朝鮮のミサイルと核実験の準備状況の映像を世界に流し、「もし北朝鮮がやるなら……」などと日本に警告を発せさせることで、北朝鮮を後に引けなく追い込みました。そして国連制裁決議等で一応の決着となり、今後の事態は6カ国協議の場に移ることになりました。 北朝鮮のミサイル発射と核実験の結果は、言うまでもなく2005年から日米間で懸案であった在沖縄米軍海兵隊のグアム移転ならびに軍事施設費を含む米軍再編成に対する日本の負担問題の解決、ミサイル防衛に関するイージス艦配備前倒し発注、停滞していたミサイル防衛網基地計画推進、等々アメリカが満足する結果に終わったわけです。したがって今後しばらくの間、アメリカにとって北朝鮮の脅威は不要になったのです。 北朝鮮が最も困っている金融制裁の解決は、日本を始め他の6カ国メンバーとは無関係要因(偽ドル・タバコ)にしてあったため、米朝間のみの問題にしてあります。今後の6カ国協議では大して意味のない原子炉停止の見返りに原油50万トン(電力提供)、金融制裁解除など、まるで北朝鮮「無罪放免」! 日本悲願の「拉致」はせいぜい声明文のどこかに「言葉」として入れてもらう程度。麻生太郎外務大臣と久間章生防衛大臣にしてみれば「してやられた!」といった気持ちだろう。 散々日本を騒がせておいて、日本から取るものを取ったら「はい、さようなら」! それどころか、今度は「北朝鮮を援助しろ」! と来る。 とは言え、現職の防衛大臣が、アメリカのイラク戦争を「間違っていた」とか、すでに決まった(してやられた)日本の対米軍再編成援助の見直しを口にするのは許されることではない。また、現職の外務大臣が、まるでどこかの評論家のように、アメリカのイラク占領後の政策は「幼稚」であるなど言ってはならない。しかし、ここまで「してやられれば」、ご両人がここまで言う気持ちも分からないではない。しかし、気持ちでできないのが「大臣の仕事」であることをご両人に知ってもらいたい。日本のマスコミが「騒ぎ屋」でしかないから、マスコミに代わって、つい正直な大臣が言ってはならない正直なことを言ってしまうのだろう。
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