驚くべきカナダ経済、本物経済 昨夜、トロントのホテルでBOM(Bank of Montreal)主催によるDr.Sherry Cooper女史の経済講演があった。前日、BOMの重役たちと北米経済の見通しについて話していたところ、是非Cooper女史を紹介したいと言われ、講演会に招かれることになった。2008年のアメリカ経済の見通しについて、女史と私の意見は不思議なくらい一致していた。 NYの証券会社や投資銀行の幹部とよく意見交換をするが、先月NYで一種の勉強会に招かれ、アメリカとカナダの経済の基本的な違いについて述べた。「本物の時代がやってきた」(11月12日の本稿を参照)という題で話した。極端な言い方だったが、「カナダは本物、アメリカは偽物」と言い切った。マネーの流れの「差」に依存するのがアメリカ経済で、日本やカナダは「価値の創造」が基本になっていると言った。 カナダは資源とテクノロジー大国である。次世代のエネルギー資源であるウラニウム鉱は世界一の産出量を誇る。最近のアメリカのサブプライムローン問題の影響はほとんどなく、10月から住宅価格は上昇に転じている。最近までのアメリカ一辺倒であった原油等資源の輸出はグローバル化に転じてきた。 NAFTA(北米自由貿易協定=アメリカ・カナダ・メキシコ)も時代の変化を迎えつつある。昨年から地球の温暖化のためか、カナダ奥地の氷結の時期が遅くなってきたという。地球温暖化までカナダにプラスに働いている。先々週からカナダドルは米ドルとの1:1の均衡を破って上昇に転じてきた。日本は言うに及ばないが、カナダのような本物の国の通貨が上昇し、偽物の国の通貨が下がりだした。 これからはアメリカ経済の見方を変えなくてはならない。もはや従来の「景気サイクル」は通用しなくなった。「偽物に本物が翻弄された時代が終わり、本物が偽物を駆逐する時代が来ようとしている」。我々はまったく新しい資本主義の時代に突入しようとしているのである。 「目からウロコの会」新春スペシャル 08年1月26日(土) 東京 九段会館 新春恒例、「増田俊男の目からウロコの会・新春スペシャル」が開催される。今回は、アメリカからハドソン研究所 所長 ハーバート・ロンドン氏をお招きし、「報道2001」(フジテレビ)でおなじみの竹村健一先生にご参加いただき、国連について徹底討論することになった。 小沢民主党代表の「国連決議があれば戦闘地アフガンへでも自衛隊を派遣できる」という発言は物議を醸したが、我々日本人はあまりにも国連を知らなさ過ぎる。ロンドン氏は今日の国連を知り尽くした第一人者であり、また、ブッシュ大統領の有力なアドバイザーとしても知られる。 第一部では、三人でとことんまで国連につき議論する。私は常日頃、「国連を知らずして国連を語るなかれ」と言ってきた。いまこそ国連の真実を明らかにしなくてはいけないと思っている。 第二部では、ロンドン氏と日本経済について語ろうと思う。ロンドン氏は小泉純一郎氏が首相になる前に会談し、いざなぎ景気を陵駕して今なお続く日本経済好況を予測していた。アメリカに代わって日本が2008年の世界経済をリードするという私の主張を氏はどう考えるかを議論することにした。 2008年の日本の経済も政治も行方が決まった。参院の主導権を握った民主党も、結局は小沢代表の思惑通り、大連合の波に飲まれる。来るべき政治・経済の安定の中から日本人の新たな自信が蘇ってくる。2008年とはそんな年になるだろう。
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