波乱の年、2008年! アメリカでは2006年11月の中間選挙で与党共和党が民主党に敗れて、議会勢力が民主党に移り、日本でも7月の参院選で与党が民主党に破れて「ねじれ国会」となった。 中間選挙後アメリカの対外政策は強硬路線から一転して宥和政策に変わり、日本も小泉、安倍と続いた北朝鮮強硬路線は安倍の失脚から福田内閣になってからは影を薄めた。 2002年から続いたアメリカ経済を牽引した住宅ブームは2006年の日銀のゼロ金利政策解除を期して終焉し、サブプライムローン焦げ付きを契機として、世界規模での信用収縮の蔓延を引き起こした。しかし1998年後半LTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)の破綻をきっかけに起こった金融恐慌にまでには発展しなかった。その理由は、当時は存在していなかった中国を中心としたアジア成長センターの存在にある。今後の世界経済は中国経済と産油国マネーを抜きしては考えられなくなってきた。 常にバブルとバブル崩壊を繰り返しながら、世界の金融センターを演じてきたアメリカに世界の不信が起こり始め、それはドルへの不信に繋がることになった。それは、外貨準備が増え続ける中国や産油国のドル離れとして現われている。従来のドル高とドル安のサイクルが、今後も続くかどうかが問われるようになった。 2000年10月サダム・フセイン(当時イラク大統領)がイラクの原油決済通貨のドルからユーロへの切り替えを宣言した時のアメリカのショックが、アメリカをイラク占領に踏み切らせたが、今日のドル危機の程度は計り知れないほど大きい。イラク戦争で明らかなように、今日までドルは常にアメリカの軍事力で守られてきた。今起きようとしている世界的ドル離れは一国を占領して済んだ段階を超えている。アメリカの存在が掛かったドルの行方にアメリカがどう対処するのか。2008年それをアメリカは行動で示すことになる。 2008年、世界は活気に溢れた時代になるだろう。アメリカはその存在をかけた勝負に出るし、中国のさらなる経済的発展が軍事力増強を加速し、中国は今に増して政治大国化するだろう。産油国と中国のSWF(政府系投資ファンド)が増大化して、世界の経済にとどまらず政治力を帯びてくるだろう。こうした今までに経験したことのないマネーの動きと、アメリカに対抗する軍事力の増大化は世界の政治経済を「一寸先は闇」にする。そんな時日本はねじれ国会、アメリカ議会も野党支配で国家の決断はしにくい。政治力の低下はさらに世界を混乱に追いやることになる。 日本にとっても、今や傍観で漁夫の利を得てきた時代は終わろうとしている。今日本は世界の政治国家から狙われている。 国家に、企業に、生活に、「戦略」が求められる時代になった! 今こそ日本人はインテリジェンスに磨きをかけ、必勝の精神で立ち上がらなくてはならない。
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