政治・経済は一体
政治と経済の関係はちょうど鶏と卵の関係である。鶏は卵から産れたとも、また卵は鶏が産んだとも言える。今日のアメリカ経済はインフレと不況が混在するStagflation状態に陥っている。政治を見ると、イラク派遣の米軍は釘付け、イランの軍事挑戦に無能、世界の環境問題でのアメリカの主導力はなし、ブッシュの支持率は最低をマーク。経済が最悪なら、政治も最低。しかし相場も政治も同じで、「底を打ったら、上昇する」ことを忘れてはならない。
アメリカの政治・経済の大転換は11月の大統領選挙後である。オバマ大統領候補が「変化」を標榜するのはまったく当を得ている。しかし人気はあっても本人は戦争でアメリカを変えようとしないので次期大統領には不適格である。9/11をきっかけにしてブッシュはアメリカの政治・経済の方向を変えたように、今回のアメリカの変化のきっかけを与えるのは中東戦争以外には見当たらない。すでにイランとイスラエルの緊張の高まりで、政治の流れは中東戦争へ向かっている。たぶん、選挙前に中東戦争の兆しが見えてくるだろうから、そうなればオバマはノーチャンス。
相場は先読みで動く。アメリカの11月選挙後、そして2009年から激化する長期中東戦争。この先読みは8月から始まると私は昨年から予測してきたが、今のところアメリカは予定のコースを進んでいる。前述のように政治・経済が最悪の状態なのにFRBも財務省も徒手して小手先だけの手しか打たないのは11月をにらんでのことである。いいニュースも悪いニュースも小出しでは効かない。ブッシュは選挙前の一瞬を狙って、中東平和条約という名の戦争準備を終えてマッケインにバトンを渡すだろう。またもや、9/11の時のように世界のマネーの動きが逆流してアメリカに向かう。現在の金融資産と不動産資産の下落は、世界のマネーがアメリカを買いやすくするための準備と思っていいだろう。
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