東西冷戦初戦はロシアの勝ち
ロシアは行動、西側は言葉
ソ連崩壊以来グルジアからの分離独立を求め続けて来た南オセチアに今月初旬グルジアが武力行使したことからロシアが域内ロシア人保護を理由にグルジア内に軍事侵攻した。
現在EU(ヨーロッパ連合)の代表であるフランスのサルコジ大統領は両国間の武力行使停止とロシア軍のグルジア領内からの撤退合意を取り付けることに成功した。今回のロシアのグルジア侵攻の理由である域内ロシア人保護は単なる名目であって真の狙いはグルジアのNATO(北大西洋条約機構)加盟と、カスピ海の石油をロシアの支配地域を避けて西側へ輸送するのを阻止することにある。ロシア軍撤退合意後の今日もロシア軍によりグルジアの幹線道路、飛行場、港湾は封鎖されたままで、グルジアからの難民の数は増え続け、国内経済の疲弊が深刻になっている。
私は本誌で「政治の目的は国家の安全と国益の追求。そしてその手段は武力とマネーのみである」と述べた。ここでさらに政治の重要な基本を述べておきたい。それは「政治は言葉である」と言われるが、それは違う。「政治は行動のみである」ということだ。ロシアのグルジア侵攻に対してNATOとアメリカは非難声明を連発し、グルジアの自由と独立を守ると宣言するがロシア軍の戦車にピストル一発も撃とうとしなかった。それは何故だろうか。
|