オバマ氏の政策は冗談!
オバマ氏に正式指名を決めた民主党大会で政策綱領の発表があったので重要な政策について考えてみる。民主党は基本的には「大きな政府」を打ち出し、富の分配規制を強化、市場への規制強化、労働組合組織拡大支援、健康保健、福祉予算の大幅増額、中東問題では「イラクからの責任ある撤退」を主張している。まず「大きな政府」は時代逆行。経済に国境がなくなったグローバル時代、「小さい政府」が望ましい。「国民(企業を含め)のために政府があるのであって、政府のために国民があるのではない」。政府が大きくなれば国民はそれだけ小さくなる。市場への規制強化も時代逆行。市場は時として過剰投機に陥ることがある。しかしだからと言って法で規制するのは間違いである。市場には「自立調整機能」があって必ず行き過ぎれば調整される。原油価格が150ドル近くまで上昇して世界中大騒ぎになったが、わずかな期間で110ドル台に下落したのを見ればわかる。市場に対する規制強化は即アメリカからの資金逃避となり、金融資産は減少し不況を加速させるだけである。オバマ氏にはアメリカ経済は恒常的外資依存型である事実認識が無いようである。労働組合の拡大策は有権者数の多い年収5万ドル前後の層の人気を取りたいのだろうが、政治がバックアップしなくてはならないのはアメリカ経済のエンジン(原動力)でなくてはならない。今ビッグ・スリー(フォード、GM、クライスラー)がスリム化で何とか生き延びようとしているタイミングを捉えて労働組合強化政策とは、まるで死人の足を引っ張るようなものだ。
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