2009年のバブルは終わった!
本年3月の底から今日までの上げ相場は先進工業国を中心とした中央銀行が供給を続けてきた潤沢な「ゼロ金利資金」と、不況は回復しつつあるという「景況感」によって造られたバブル相場でした。そして今クリスマスの終わりと共に9ヶ月の長きに渡って65%(NYダウ)も上げた相場は終焉を迎えようとしています。今後中央銀行は出口戦略(利上げ)に向かうし、景気刺激予算も縮小に向かいます。よほど良好な経済指数(ファンダメンタルズ)が出てこない限り景況感もこれ以上続かないでしょう。このリスクを回避するためオバマ政権はTARP(Trouble Asset Relief Program=不良債権救済策)の延長(来年10月)とゼロ金利政策の長期延期を発表することでマネーバブル政策の継続を余儀無くされています。
オバマ・マジックは成功するか?
何とかこのままマネーバブルと景況感を継続させ、ホンモノのファンダメンタルズが好転してくるのを待とうというのがオバマ戦略。いまや市場の意見は楽観論と悲観論に二分されています。
楽観論(増田論):
2009年度に使われたTARP予算は半分以下だから今後も当分経済刺激効果が期待できます。GDPの70%を占める消費は回復基調にあるし、企業の生産性が極度に上がっていることは、もはやリストラが限界に来ていること、また今後企業は従業員の増強を強いられます。雇用問題が改善に向かえば当然のことながら消費者心理の好転に繋がります。したがって今後多少の調整はあったとしても、市場の趨勢はスムーズにバブル(ニセモノ)から好転するファンダメンタルズ(ホンモノ)に移行するのは確実であると考えます。
悲観論:
3月から続いたマネーバブル(信用バブル)創造のツケで多くの国、特にヨーロッパで返済不能の財政赤字問題が顕在化している。今後財政危機の嵐が市場に大きな負のインパクトを与えるだろう。アメリカのファンダメンタルズは決して良好とは言えず、商業不動産やクレジット・カード問題、また住宅の差押件数も増え続けている。消費もクリスマスの後は大きく後退し、景況感が悪化してくる。「マネー」と「思い込み」で造ったバブル(ニセモノ)が崩壊するのは当然の成り行き。ホンモノの景気回復は2010年中にはあり得ない。
皆様は楽観論者ですか悲観論者ですか。
忘れてはならないのは、今日のファンダメンタルズは決していいとは言えませんが、2007年末から徐々に改善されているのは事実なのです。景気は金融が牽引するもの。つまり経済においては「初めに金ありき」、何をするにも先立つモノ(マネー)が無くてはなにも起きないということです。
今日まで続いたマネー(金融)相場は今頂点(バブル)に達しました。
次の相場がホンモノ(実体経済)相場になることは、いわば市場の趨勢であり約束されたことなのです。当然悲観論が指摘するように緊急不況対策のツケが顕在化しているのは事実ですから、それなりの悪影響を市場に与えるでしょう。しかし今後起こり得る信用不安は株価を下げることはあっても、ファンダメンタルズを後退させることは絶対にないのです。それは不安も安心も製鉄の原料になり得ないからです。
私は常日頃から、株価について、「12月後半から若干整理があり、12月末から本格的な上昇になる」と言ってきました。また特定の方々には、相場を「上げては売り、上げては売り」を繰り返して利益確定を続けているプロに負けず、「上がったら売り、上がったら売り」で対抗するようアドバイスをしました。
さて泣いても笑っても2009年は終わろうとしています。私は寅年、新年は寅年!
相場は、寅のように千里を走るでしょうか。私には千里の先に獲物がはっきりと見えます!
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