第577号(2010年02月18日号)

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トロント発 (本日は私たちグループが投資してきたカナダの会社のトロント証券取引所 での上場が決定した嬉しい日です)

機は熟した!

経済にとってもまた当然であるが市場にとっても「時」(Timing)がすべてである。私のアドバイスも時とともにどんどん変化する。
今まで述べたことで既に期限切れになったものもあるのでご注意願いたい。
1.「直近ドルは上昇する」:今週で期限切れ
2.「今回の調整はNYで9,900ドル、ニッケイで9,800円で調整は短期で終わる」:今週で期限切れ
3.「金は私が売りのアドバイスをした12月4日から急落し一時1,000ドルを割ったが、800ドルまで下がるだろう」:完全に期限切れ
4.「ドル上昇で原油は60ドル台まで下がるだろう」:完全に期限切れ
5.「NYは3月から上げるか下げるかまったくわからない」:今こそその答えが出た!

時事直言(前号)で述べた通り、アメリカの住宅金融事情はすこぶる悪い。総住宅貸付の25%がUnderwater(評価額が貸付額より低くなっている状態)である。商業不動産金融も極めて悪く、今後4年間に返済期日が来る貸付額は$1.4 trillion (約130兆円)でそのうち半分がUnderwaterである。今後年間$300-400 billion (約28−35兆円)の不良債権が銀行に発生することになる。
TARP(緊急金融機関救済策)が本年10月で終了するので、今後4年間またもや銀行受難が再現するかも知れない。
さらにクレジット・カードの焦げ付きが銀行の負債に追い打ちをかける。
本誌前号でアメリカ経済の最重要要因である「消費」について述べ、「住宅価格が上がらなければどうにもならない」と結論した。
しかし何処にも住宅価格を押し上げる要因は見当たらない。
ところが、「オバマ大統領のウルトラC戦略」があると述べ、詳細は今受付中の私の「小冊子」をお読み下さいと述べた。
今回は概略だけ述べることにした。

オバマウルトラC戦略

まず、はっきりと申し上げておくが、「オバマウルトラC戦略は成功する」!
私がこう申し上げるにはいささか背景がある。私はたまたまオバマ内閣の経済アドバイザーの一人と長いおつきあいをさせてもらっていること。また彼が在籍していたシンクタンクとは、何かにつけ長年意見の交換をしていること。また私は常に当シンクタンクを通してホワイトハウスに私の持論を述べ続けていること。昨年2月も、海外の米企業に事業税減免(35%を5%に)をしてアメリカに資金をカムバックさせ金融資産を持ち上げるべきだと進言し、実際は実行されずTARPに決まったいきさつがある。実は10月後の米経済リスクに鑑み私はあるアドバイスを繰り返し進言してきた。最近のFRBと財務省の動きから、ホワイトハウスはどうもその方向に向かいつつあることが観測されている。もっとも私の考えというより、ここへきて私の持論以外に対策はないのかも知れない。

私が進言してきたのは、「2009年のマネー・バブルの後に不動産バブルを演出せよ」であった。ただし質のいいバブルにするため予め銀行規制を強化しておくこと(すでに銀行規制が始まった)。今後さらにインフラ投資継続で内需拡大し、創造した資金需要をやや上回る量のドルを増発して、緩やかなインフレに誘導する。中間選挙が11月にあるので目に見える雇用を増大させる必要があるので、中国からの輸入を敵対的に制限する。昨年9月の中国からの輸入タイヤの緊急輸入規制でタイヤ産業は雇用を増やし、設備投資を増大した実績がある。だから徹底的に中国からの輸入品を締め付けるべきだ。中国がどんなに怒って対抗措置を採っても気にするな。中国が嫌うダライ・ラマに会って中国の神経を逆なでにするのはすばらしいことだ。それは怒った中国に、「ドルを売るぞ」(出来ないことは承知の上で)と言わせることになるからだ。そうすれば、ドルを印刷しないのにドルがどんどん下がる。ドルを印刷しないでドルが下がればインフレにならないままアメリカ産業の国際競争力をつけることができる。インフラで内需拡大、中国いじめのドル安、国際競争力強化で外需拡大、今度は超楽観景況感ではなくファンダメンタルの実証で国際資金を導入して株でなく不動産へ導入すべきである。不動産価格上昇は消費を促し、さらにファンダメンタルに貢献して相乗効果を起こす、これが私のオバマ政権への進言であった。
中国を烈火のごとく怒らせることによる(ドル印刷なしの)ドル安戦略はいかにも増田さんらしいと言われました。
議会はどこの国でもマスコミと同じで表面だけ。愛国的、搾取的、実利的戦略は「起こって見なくてはわからない」ものです。
本日は、少し裏のお話をしました。

またもや宣伝をさせていただきますが、いま受付中の私の小冊子をお読みください。
必ずお役に立つと思います。


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