第684号(2011年11月08日号)

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ユーロ危機は何故起きたか

政治でも経済でも突発的に起きる事は無い。戦争(政治)も好況・不況(経済)も総て世界的または個別国家的「利益追求」のための長期的かつ短期的戦略の結果である。
私は2008年からを「非成長時代の始まり」とし、また「グローバル化時代の終焉」の年と定めた。自由競争原理の自由市場を基盤とし、マネー(資本)で仮需要を創造し、仮需要を実需が追いかけながら成長を続けてきた経済成長主義時代は終わろうとしている。
「成長無くして資本主義無し」!
世界の先進国の生活水準が高止まりしてきた今、更なる規模拡大的経済成長は望めず、経済は「量から質の時代」に移ろうとしている。
経済規模を表示する国内総生産(GDP)の成長万能の時代が終わり、「生産量を減らし、質を高める」ことでしか企業は生き残ることが出来ない時代になろうとしている。
グローバル化は経済成長のためのカンフル剤であるマネーとモノと人(技術)の国境を無くすことで新たな需要を喚起し世界のGDPの成長に寄与してきた。しかし成長の恩恵の格差が拡大し富める者が1%、貧困者と貧困予備軍が99%になるに及び、その原因がグロ―バル化にあるとして先進国、アメリカやヨーロッパの国民がWall Street (NY)やG20開催地でグローバル化反対運動を激化させている。


先進国企業が量から質に転換すれば企業規模は縮小するから失業者が増大する。
平均所得の低下は消費を低迷させ、企業の生産調整で設備投資は減退しGDPの成長は止まる。


今後、グローバル化の犠牲者達は低成長の先進国から高成長の新興国へ移動する。
「西から東への人口移動」が始まり先進国の空洞化が加速している。


ギリシャ財政危機に端を発したユーロ圏の経済危機はイタリアへと連鎖の一途である。EUとユーロ体制は第二次大戦直後以来ヨーロッパの祈願であった。
ヨーロッパ市場を米ドルの支配から解放し、ドルの国際通貨のメリットを取り返す狙いがあった。1999年(ユーロ発足)から今日ユーロ破綻を目前にする時私には「アメリカの意志」が見え隠れする。私はかつて「資本の意志」という名前の月刊誌を出版していたが2001年のブッシュ政権から「力の意志」に名変した。クリントン時代はマネーで、ブッシュ時代は武力で国益を追求したのに合わせた訳であった。
言うまでもなくアメリカの国益とはドルの世界市場支配に他ならない。ヨーロッパからドルを追放したユーロ体制は今やアメリカの格付け会社と市場操作で崩壊寸前である。「資本の意志」によるユーロ体制崩壊と「力の意志」による中東エネルギー支配の日が刻々と迫っている。
アメリカを主導する「意志」を知れば世界に繰り拡げられている「芝居」と芝居の世界で本気で踊り続ける指導者(政治家を含む)の無邪気さがわかる。
To know is to win! 知れば勝てる!


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