第697号(2012年01月06日号)

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新時代の開幕

私は一昨年(2010年)から本誌や「小冊子」、「ここ一番!」で「時代の変化」、「成長時代の終焉」、「資本主義の不機能」、「民主主義の終焉」、「民主主義から全体主義へ」、「量から質の時代」、「登り坂から下り坂」、「金融ソフト時代の終わり」、「バブル経済から本物経済の時代」、「ソフトからハードの時代」、「いよいよ日本の時代」と題し正に「新しい時代の到来」を告げてきた。
昨年の後半からテレビをはじめマスメディアや書籍、雑誌等で「私が告げてきた言葉」が乱舞してきた。新しい年を迎えるにあたって、今後半年から1年後に共用語になる「新しい言葉」を交えて読者と共に新時代への頭の切り替えをしたいと思う。

「革命」(年内に最多使用語になる)

出来る限りの自由を個人と企業に与え富の追及に走らせながら国家の自由拡大で経済成長競争と国家覇権争いが続いてきた。先進国での生活が高水準に達し「贅沢」(もったいない)以外に経済成長に寄与出来なくなった今日、経済から「成長」という目標が消滅しようとしている。GDP(国内総生産)という量的成長が止まった時、「経済のあり方」は「量から質」へ転換する。
政治においても核やミサイル等の脅威をベースにしたハードから「国際世論」というソフトの支持が求められるようになってきた。今後GDPと株価は一切連動しなくなる。量的成長と企業利益は別問題であり、株価は利益(質)に連動することになる。
国際世論に支持される国家とは世界から(日本のように)「尊敬される国家」である。日本の文化、思想の基盤は「滅私(無)」、「農耕文化」(家族主義)、「みんなで渡れば怖くない」(グループ主義)であり、「個」を基盤としたアメリカが求める「きらめく乱立」でなない。戦後アメリカに強制された「個人主義」(自己中心)の思想と制度が今日日本で全く機能しなくなったのは日本に不向きだったからである。昨年3月11日(東日本大震災)で我々は「一つになれば怖いものはない」を世界に証明した。先進国に先駆けて日本は「失われた20年間」の量的低成長下で「質の向上」に専念してきた。そして今遅ればせながら先進国の日本化が進んでいる。日本人のマインドは「個人」から「家族」、「社会」そして「国家」へ移り始めた。EU(欧州連合)が経済統合から政治統合へ向かっているのは日本化の始まりである。今や日本人の心を満たす「経済・政治革命」が求められる所以である。やがて世界の日本化は必至である。
民主主義と資本主義が機能しなくなったのを認識し民主主義や資本主義の「改革」と「修正」を求めようとする一部の「世論」は間違いである。改革、修正は「後退」であり「先送り」。あるのは「革命」のみ!

「円高立国、日本」(年末から騒がれる)

「成長万能時代」が終わると「品質万能時代」になる。量を減らして質を高める時代の目標は成長(GDP)ではなく「1株当たりの利益」である。
資源の乏しい日本にとって円高対策で在庫を減らし(輸出量が減り)、円高で原材料コストが下がることは利益貢献に繋がる。連結決算上の生産量を増やすためには経済成長が続く消費地の新興国へ生産拠点を円高を利用し低コストで移転すれば更なる利益確保が出来る。今や日本企業の海外直接投資(生産の移転)は月間8,700億円に達し経常黒字を上回っている。1990年にもM&Aラッシュで資本流出が経常黒字を越したが、その時の統計によると生産拠点が海外に移動すると実際には国内雇用が増加することが証明されている。
一方海外投資による利益、配当の流入額が流出額を上回り、年間12兆円以上に達しているから日本の国際収支は常に黒字額を更新している。生産拠点の海外移転即空洞化、雇用減退というのは「風評」に過ぎない。「日本経済の質」は円高によって相乗効果で日本経済の利益に貢献するのである。しかし付和雷同型の「風評」が消えるのは1年くらい先だろう。
今年こそ「増田流常識」を頭に入れて、投資に事業に打ち込んで下さい。


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