パワーシフト
今回の「小冊子」(Vol.32)で世界の政治・経済を動かしてきた原動力がいかにシフト(移動)しようとしているかを解説する。
それは「西欧の没落」であり「アジアの再興」である。
それはまたギリシャ・ローマ時代から続いてきた西欧文明本流の危機であり終焉でもある。
西洋文明と資本主義は常にマネー(資本)の肥大化で実体経済を拡大し成長させてきた。つまり金融資本と金融市場は常に実体産業の規模を上回ってきた。
資本の膨張(インフレ)のリスク回避の為のヘッジファンドやCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)までもがリスク回避どころか信用の「大量破壊兵器」となりバブル崩壊の危機を増大させ続けてきたのだから、一旦世界経済の成長が止まると「危機増幅」と「危機爆発」の悪循環に陥るのは当然である。
今NY等の金融市場が縮小すると共に実体経済が金融資本を上回る地域(日本など)に世界経済の主導権が移ることになる。
又アメリカ、欧州、日本で見られるように今先進国の政治は「ねじれ国家」で急激に変化する経済(市場)に対して対処出来なくなっている。
決定までの手続きに時間のかかる民主制度が「経済の癌」になってきたのである。
人間は「青い鳥を求めて世界中を旅したチルチルとミチル(世界)は青い鳥は旅する前に住んでいた我が家にあった」ことに気が付いた。
無限の夢を抱いて海に向かって冒険の旅に出て7つの海を支配した海賊船(西洋)は今「神風」に襲われ沈没しようとしている。
支配の手段であった金力と政治力(軍事力)が地に落ち尊敬から産まれる権威という精神が世界を覆い包もうとしている。
常に世界の人々と日本の国民の安寧と幸せを天(自然の神)に祈り続ける天皇を戴く日本だけが永遠なのである。天皇を戴かない国の国民、すなわち自然を基軸にして生きない人々は不幸である。
世界を見渡せばいずれの国も混とんとし、時代が変わろうとしているのに国民の政治への関心は薄らぎ世界に失望感が漂っている。国民の側からも国家の危機が迫っている。
歴史はこうした時世界に英雄を与えるものである。橋下徹氏(現大阪市長)がいち早く日本を改革し、世界に21世紀の国家モデルを示し、東日本大震災に際して世界から寄せられた日本への尊敬とそれによって築かれる日本の権威を永遠のものにして欲しいものだ。
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