第705号(2012年02月08日号)

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増田俊男の「愉快な暴言」

以前私の「小冊子」で「民主主義は植民地主義に代わる新しい侵略哲学だ!」と述べたことがありました。
世界における支配・被支配の構図は情報インフラの機能で決まるという考えに依るものです。
侵略者が情報を握っていて被侵略者が情報に疎い時は暴力(武力)で侵略し、被侵略者が情報を持ち侵略者が情報に疎い時は民主主義で侵略するという自論です。言論の自由、信教の自由、集会の自由で被支配者を混乱させかつ弱体化させ経済的、政治的破綻状態に追い込んでからわずかな支援で同盟国と言う名の属国にする。これが植民地主義に代わる民主主義と言う名の支配の思想と現実では無いかと考えたのです。私は、アメリカが戦後世界の政治・経済の主導権を握ったのは世界に「民主主義を普及したからである」と考えました。
戦前の効率的だが個人の自由が圧迫された独裁政治から解放された民衆が民主主義の自由と勝手、正当な発言とペンの暴力、声なき声と暴力デモ等々、真の自由と悪しき自由の混乱の中で気が付いてみたらアメリカの属国になっていた。

シリアのアサド大統領に退陣を求める暴動が繰り返され多数の犠牲者が出ていますが、そもそも自国の大統領に退陣を求める民衆は誰を大統領にしてどんな政治を望んでいるのでしょうか。民衆を反政府暴動に掻き立てるのは一体何なのでしょうか。失業や借金苦、仲間同士の諍(いさか)い、生活苦等のうっぷん晴らしではないのでしょうか。何処の国でも政府転覆罪は死刑ですからアサド政権にすれば政府転覆を目的とした民衆の暴力行為に対しては実力(武力)で対抗する他はないでしょう。
国連安全保障理事会の15カ国にアメリカがアサド大統領退陣と経済制裁の決議を求めましたがロシアと中国の二カ国が反対したため国連によるシリア民衆の反政府運動の国連による正当化は出来ませんでした。
私はイランやシリアばかりかサウジアラビアまで含めた産油国に民主運動家を送り込む国際組織の会合に2度ほど参加したことがあります。勿論、会合の名前と目的は「安全と世界平和」です。昨年の2月エジプトの暴動で旗を振っている民主運動戦士の映像が米系テレビに流れていたのを見て驚きました。
なんと5年前の会合で会った戦士だったからです。
実はシリアで民衆のフラストレーションを利用して反政府運動に駆り立てているのはこうした民主運動戦士なのです。シリアで子供や老人が殺される悲惨な映像を何度も何度も米系テレビが流すのを見ていると、以前何度も何度も流されたある映像を思い出します。かつてのイラクの大統領サダム・フセインは隣国クエートが、油田が地下でつながっていることをいいことにイラク領の原油を奪っているのを止めるように抗議したところクエートが一切聞く耳を持たなかったので軍事行動を起こしたことがありました。アメリカはイラク攻撃の口実を見つけたとばかりに即座にイラクの対クエート侵略戦争だと宣言、国連安全保障理事会に対イラク軍事制裁決議をはかったのですがロシア等の反対で否決されました。米系テレビはイラク兵士が赤ん坊を殺害している映像と目撃していた少女が泣きながら証言する模様を繰り返し、繰り返し流しました。結果、世界中の非難がイラクに向けられアメリカは堂々とイラク攻撃を果たしたのです。後に少女はクエ―トの駐米大使の娘さんと分かり、また彼女は、映像はアメリカの広告会社のスタジオで録画したものであることを告白しました。
今回ロシアと中国がアメリカの対シリア制裁決議に反対したのは、口には出しませんでしたが、こうしたアメリカの民主主義と言う名の中東戦略を百も承知しているからです。国連による正当化が得られなければ国際世論のお墨付きをとるという点ではクエートの件と今回のアメリカの対シリア戦略とは共通しています。では何故シリアなのでしょうか。それは言うまでもなくシリアのバックはイランであり、今アメリカはイスラエルのイラン空爆を正当化する準備中だからです。アメリカの国是は「世界に自由と民主主義を拡大する」ことです。「知らぬが仏」の日本をはじめイランやシリアのような当事者以外なら誰でもアメリカの国是に反対する者はいないでしょう。国際世論をバックに堂々と侵略をするアメリカをもう少し勉強した方がいいと思います。知らぬが仏の日本では余計なことかも知れませんが、知らぬが仏では「おカネ儲け」は出来ません。先の「時事直言」でも触れましたが、アメリカの中東支配の細工は流々です。「時事直言」の読者には真の国際通になっていただき世界の真実を少しでも多くの方々にお伝えいただきたいと願っています。
近く少人数制勉強会(実践経済セミナー)を計画しています。


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