ヨーロッパから、
欧州滞在が長く経ったが、紹介から紹介でいろいろな人と交流を重ねることになった。I love Japan が異口同音である。ほとんどの人はビジネスや観光で日本に来ている。ホテルより「旅館」に泊ったという人が多いのには驚いた。旅行中接した日本人の印象は「世界一だ」と大変なお褒めをいただいた。
カラオケの話が出たが、ビジネスの時はおとなしく、物静かな紳士、淑女がカラオケ・ルームに入るとまるで人が変わったようにマイクを離さず大声をあげて歌いまくるのには驚いたという。オフィスで見る紳士、淑女がどうしてあんなに変わるのか信じられないそうだ。
私は会社ではいろいろ周囲を気使うことが多く共同作業がはかどるよう細心の注意をしているので自分を極度に押さえる傾向があると説明した。
そうして溜まりにたまったフラストレーションを爆発させるところがカラオケなのだ。最近では一人だけのカラオケ・ルームが流行っている。
会社の秩序と円満な共同作業の為にカラオケがあることに驚くと同時に、「日本はすごい」と言っていた。
さて私が追っかけているギリシャだが、やはり民主主義とその制度を築いた歴史を持つだけのことはあると実感じた。
国民はギリシャ支援の義務として課せられた過酷な条件に対してデモを繰り返してきたが、どうも国民と政府の対外的出来レースであったことが見えてきた。
第一次と第二次金融支援で合計約23兆円も手にしたとたん国民のデモが終息した。大した阿吽の呼吸である。
4月末に総選挙があるが、「国民の総意」が現れる。
国民がユーロ離脱、ドラクマ帰着を決すれば、袖にされるのは誰だろうか。
IMF(国際通貨基金)の出資を最低限に抑え、しかもちびちび払うことを押し通したアメリカはギリシャ支援が「ドロボーに追い銭」と元より知っていたからだ。
欧州滞在で知ったことは、正に「狐と狸の騙し合い」の世界であった。
日本に帰る度にほっとするのは、日本は「天国」だからだろう。
今回出会った全員がI love Japanと言うのも分かるような気がする。
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