少し違う今回の「小冊子」(Vol.34)
私はまだ欧州にいて、ギリシャ問題の真相を究めようと試みている。
ギリシャ経済はもとよりドイツ経済と競争など出来るような存在ではなかったにもかかわらずドイツと同じユーロ通貨を採用したことに総ての原因があったのは言うまでもない。
ギリシャは自国通貨ドラクマよりはるかに価値の高いユーロを採用すればファイナンスが容易になるばかりか不動産価値も上がって、言わば「不労所得」を得ることが出来ると考えていた。
ところが当時のギリシャの債務はユーロ加盟国の条件であるGDP(国内総生産)比3%以上であったため加盟条件を満たしていなかった。
そこでガバメント・サックスとも言われたゴールドマン・サックスがギリシャに救いの手を差し伸べ、ギリシャ国債と米国債とのスワップ(交換)を含めた複雑なデリバティブのプログラムを持ち込み当時の財務大臣と国債(債務)担当トップ官僚から採用の合意を得た。ゴールドマンのプログラムはうまくいきギリシャは見事にユーロ加盟条件をクリア出来た為ギリシャはゴールドマンに$500Mドル以上の膨大な手数料を払った。ところがその後ゴールドマンのスキームはことごとく失敗しギリシャの債務は倍増する結果となったがゴールドマンは膨大な手数料を取り続けた。ギリシャの財政破綻の原因は基本的にはユーロ採用にあるが、負債を増大させながら吸血鬼のように合計で$1Billion(1,000億円)以上の手数料を取り続けてきたゴールドマンにも原因があった。
この問題を究明するため近くヘッジファンドの友人とギリシャに行くつもりです。
今回の「小冊子」はこうした欧州飛び歩きの中で書いた。
お役に立てば幸いである。
|