中国が変わる!
中国人民銀行は先週土曜(4月14日)、「2012年4月16日から人民元の対米ドル変動幅を5%から1%にする」と発表した。
先週金曜(4月13日)中国の第1四半期のGDP(国内総生産)が前年同期の8.9% から8.1%に下がったと発表があった直後のことである。
アメリカは事あるごとに中国が人民元を不当に下げていると非難を続け、アメリカの対中貿易赤字の原因としてきた。
今回の為替変動幅1%は中国にとって大きなリスクである。なぜなら理論的には、もし1%上昇が30営業日続けば人民元は30%上昇するからである。
中国のGDPが急激に下がったタイミングと来週のワシントンD.C.で開かれるG20とG7、さらにはIMF年次総会を計算に入れた発表である。
ここで中国の世界的国家経済目標を知っておく必要がある。
中国は、私が2年前から述べてきたように「2015年に人民元の自由化と上海市場をニューヨークに代わる国際市場にする」という目的を実行に移そうとしている。今日まで中国経済は外需依存であり、中国の輸出産業の52%は外資企業であった。しかし3年前から中国は内需依存型経済にするための構造改革を断行してきた。そして加工貿易産業と外資の下請けであった地場産業は外資の優れた技術とノウハウを吸収し国際競争力を持った。中国のハイテク産業が集中する沿岸部は最低賃金を年率15−17%に上げることを保証したため今後数年で中国の賃金はアメリカ南部と同一になる。その為、輸出産業に携わってきた外資企業は中国から引き揚げ始めている。当然外資資金も中国から本国へ帰還する。
中国の国内産業はすでに国際競争力を持ったから外資が中国から引き揚げても問題はない。外国資金が中国から本国に引き揚げる為に起きる資金不足をカバーするには人民元をより国際化し、上海市場により多くの国際資金を呼び込めばいい。その為に4月13日に「量より質の成長」のプラス8.1% を世界に見せつけ、さらに翌日(4月14日)に人民元のより一層の国際化と外国依存を断ち切る為の「構造改革」実行の自信を表明したのである。何故中国はこんな快挙が出来るのか。それは中国が民主国家でないからである。
日本でもし消費税法案が可決されなかったら、経常収支は5年以内に赤字に転じ、日本の国債利回りは高騰し、国内貯蓄で負債を賄えなくなり財政破綻する。こんな当然可決しなくてはならない、中国ならわずか一分で決められることに野田総理が政治生命をかけなくてはならない日本。そろそろ「無責任な人間の言い訳の為に存在する民主主義を捨てる時がきた」!
*今回の小冊子の内容を大きく変更した。それは新たな変化が世界に起ころうとしているからである。貴方の懐のカネをどう管理するかが大きく変わろうとしている。
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