「民主主義が国を滅ぼす」!
、、とは私の口癖だが、今回のギリシャの総選挙とフランスの大統領選の結果を見れば読者も頷くのではないだろうか。
欧州の財政悪化に伴う債務危機問題は2010年から顕著になってきた。
昨年10月欧州首脳会議で欧州全体の債務危機回避のロードマップとユーロ加盟国を中心とした財政規律を決めた。そして本年なってギリシャの国債デフォルトを回避するためEU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)は昨年の第一次金融支援に続いて第二次支援(合計約20兆円)に踏み切った。
今回のギリシャとフランスの選挙で両国民は、財政健全化に必要なAusterity(緊縮財政、無駄な公務員削減、増税、年金カット等厳格な規律)を決めた現行政府(ギリシャ)と大統領(フランス)に対抗するAusterity反対勢力を支持した。
結果メル・コジと言われたドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領の欧州財政健全化の為の仏・独共同路線が崩れることになった。
欧州の経済・軍事大国であり国連の常任理事国フランスの伝統的保守から改革派への転向は今後欧州だけでなく世界の政治・経済にも大きな影響を与えるであろう。
今回のギリシャとフランスの選挙で表された国民の意志を見て分かることは、民主主義制度のもとでは「資本の意志」(資本主義の理念)も「政治力学」(国益追求)も必ずしも通らないということである。
民主主義を正しい理念として遵守するなら、国家の存在が危うくなる可能性さえある。「人間は弱い一本の葦(あし)であるが社会的動物」であるから国家なしには国民は存在出来ない。これからの世界はいち早く挙国内閣を作った国が有利になる。民主主義プロセスの結果から起きる「ねじれ国会」では中国等全体主義国家に遅れをとることになる。
大収穫!
さて、私は今回デトロイト、ニューヨーク、ワシントンD.C.の旅を終えて多くの「アメリカの戦略」を知った。
日本の国にとっては「恐ろしいこと」であり、今後の市場にとっては「驚くべきこと」ばかりである。
本誌に書けば相当ご迷惑をかける筋があるので「実践経済セミナー」で写真などご披露しながら直接お話しする。「ひどい話!」とだけ申しておきたい。
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