潜在的破綻国家と無破綻国家
私は世に出た頃から時々高いところから世界を眺めることにしている。
数日中に欧州に行き7月初旬まで滞在する。3月も1カ月間近く滞在しギリシャ支援をめぐっての慌ただしい現実の中にあって高所から見たギリシャとユーロ圏の先行きを「小冊子」などでお伝えした。
今日欧州並びにアメリカを含む先進国の中で際立って優秀なのは日本とドイツだけである。日本とドイツは前の本誌で述べたように国際収支、内外資産、対外債権、国内預貯金等の現状と将来から絶対に財政破綻しない上位4位に入っている。世界最悪の潜在的財政破綻国家はアメリカで、フランスとイギリスを含む現在問題になっている欧州諸国の債務不履行は金融政策による先延ばしで凌いでいるに過ぎない。
何故戦争敗戦国が経済戦勝国になったか
日本もドイツも第二次大戦の敗戦国である。日本とドイツは大脳皮質の皺数が桁違いに多いのと規律正しい文化が共通点である。日本人とドイツ人は頭が良くて、まじめな努力家で、団結力があって規則を守る国民だということである。
一方アメリカを中心としたフランス、イギリス等他の西欧諸国は資本主義的価値観がベースにあり、「スマート」を良しとする国である。スマートとは「努力をしないで巨万の富を得る」ことである。資本効率、労働効率、組織効率等々「効率主義」を旨とする国である。
戦後は資本主義体制の中にあって反資本主義的であった日本・ドイツと資本を正義とした効率一点張り国家群との経済戦争の時代であった。
そして戦争の20世紀が終わり21世紀のスタートラインに両軍が並ぼうとすると、日本・ドイツ軍は不戦勝となったことが分かった。
欧州危機に対する日本とドイツの差
ギリシャ選挙は終わったがスペインの脆弱な金融システム、イタリアの国債デフォルト問題等々これから潜在財政破綻国家群の欧州債務問題は続く。
先般本誌で「ドロボーに追い銭」と日本のIMF(国際通貨基金)出資を皮肉った。
ドイツは潜在的破綻国家群に財政規律の強化を呼びかけ、更なる金融支援は不要とする。ドロボーを助ける日本、規律を押し付けるドイツ、これがドイツと日本の差である。潜在的財政破綻国家を締め付け、さっさと破綻させて再生可能国にはユーロ離脱で独立させ、駄目な国はEUに吸収(統合)して鞭を打って奴隷のごとく働かせる。ドイツの欧州政策は正論と言える。
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