第746号(2012年07月27日号)

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ユーロ体制崩壊!

欧州に長期滞在してよく理解できたことは、ギリシャへの第二次支援1,300憶ユーロに対してギリシャに義務付けている、「2014年までに116億ユーロの財政削減」の実現は不可能ということ。
EU(欧州連合)、IMF(国際通貨基金)、ECB(欧州中央銀行)の調査団は今月までにいい調査結果は得られない。
ドイツ、オランダ等でギリシャ支援打ち切りの世論が強い。ドイツなどではESM(欧州安定メカニズム)に出資することが憲法違反だとして裁判沙汰になっている。一方、ギリシャの国民の50%近くがユーロ脱退に傾いている。
すでにドイツ、イギリス、オランダ、ベルギーは来年早々のギリシャのユーロ脱退を予想して国内銀行に為替取引対策の準備を完了している。
EUはスペインの金融不安に対処する為6月末にスペインの銀行に最高1,000億ユーロの支援を約束したが支援母体になるESM(欧州安定メカニズム)の設立予定も7月から9月に延期、またその前提となる欧州合同銀行の見通しも立っていない。スペインのモントロ予算相は業を煮やしてEUに対して280億ユーロの緊急融資を申し出た。ところが昨日の記者会見でデギンドス蔵相は「スペインは一切援助を必要としない」と発言した為EUは混乱している。
一方、ECBのドラギ総裁は「ユーロ安定の為にあらゆる手段を採る」などと言ったリップサービスで市場に安心感を与えようとしている。資金支援元の欧州合同銀行もESMも17カ国が批准しなくては出来ないことを考えればドラギ総裁の発言は「根も葉もない話」である。
私が何度も言い続けてきた通り、「ユーロ体制は2010年に崩壊した」のであって、その後の総ては「崩壊の先送り」でしかない。
EUは発足の1999年からユーロの将来の為に「ドルを犠牲にした戦略」を展開してユーロ価格は1ドルから1.7ドルまで上昇し、ドルの信認が危ぶまれた。
ドルはアメリカの「命」!
アメリカはアメリカの命に挑戦する者は「絶対に許さない」。
アメリカを知る私が「ユーロはすでに崩壊している」と言い続けてきた理由を詳しく知りたい方は、今回の「小冊子」(Vol.38)第20章「アメリカのユーロ体制壊滅作戦」をお読みください。


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