第818(2013年4月5日号)

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黒田新日銀総裁の賭け!

4月4日の日銀金融再策会合の結果は世界に「驚き」を与えた。
何が驚きかというと、日本が遂にバーナンキ議長率いるFRB(連邦準備理事会)の金融政策指針に追従したからである。
黒田日銀の決定事項は概ね下記である:
*「日銀券ルール」等、白川前総裁まで続いた通貨規律を無視、
*金融緩和の基準を翌日物(コール市場)金利からマネタリーベースに変更、つまり市場の需給無視)で、2014年末までに138兆円(2012年末現在)資金供給量単純に270兆円に拡大する
*長期国債の購入も年で2倍強の190兆円に倍増する、
*リスク資産であるETF(上場投資信託)やETF(不動産投資信託)の買い入れを倍増する。
*長期国債を月7兆円規模で買い入れる、(FRBは月約8兆円規模)
*物価2%を2年までに達成する為には「何でもする」
正に「2年間に何でも倍々緩和」である。(倍々には何の根拠もない)
従来の「責任(通貨発行規律)ある日銀」からの180度の政策大転換である。


「倍々ゲーム緩和政策ショック」でニッケイ株価は13,000円を抜き、ドル・円では97円に接近している。
私の予想の「年内15,000円」は変わらないが、日銀の大胆な決定は、言わば一種の円安介入だからアメリカ、欧州、中国、韓国の国際競争力を落とすことになる。
「ここ一番!」の読者には4月2日に「今日は買いのチャンス」、今日は「売りのチャンス」とアドバイスした。
株価は日銀の政策だけで動くものではないので、今後はアメリカ経済動向によって影響を受ける。


ドルは国際通貨、ユーロも欧州の共通通貨、円は日本だけしか通用しないローカル通貨。
今は「浮かれて」いてもいいが、ローカル通貨の日本が世界の通貨発行の自由裁量権を持つFRBや欧州通貨のECBの後を追うとどういうことになるかは1985年のプラザ合意後の1988年から1991年に何が起き、その後20年間日本経済がどうなったかを思い出せば分かる。


今後株も不動産もバブル化するが、賢明な読者は是非本誌を読み続けて欲しい。
必ず「奈落の底」に落ちる30日前にお知らせします。」

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