本日増田俊男の「目からウロコのインターネット・セミナー」発信!
「小冊子」(Vol.46)本日全国発送開始!
従属する日本と自立する日本の損益勘定
(日本を世界の話題中心にした安倍政権の自主外交の一端を見る)
本年世界のマスコミで最も露出度が高いのはJapanである!
Surprise No.1. 驚きその1: 尖閣諸島の国有化
2012年9月11日野田内閣は尖閣諸島を20.5億円で購入を決め、田中角栄首相と周恩来両首相間で取り決めた日中国交回復(1972年9月29日)における暗黙の了解事項:「尖閣諸島はUntouchable(永遠に棚上げにする)」を日本側から反故にした。尖閣諸島に限らず領土問題は常に領有を主張する双方に根拠があり、または根拠を作ることが出来、双方に国家主権があることから「戦争」以外では解決出来ないのが歴史の証明である。従って、アメリカは1972年沖縄返還に際し、中国も尖閣諸島の領有権を主張していることから、施政権は日本に渡したが領有権は日中国交回復並びに1978年8月12日の日中平和友好条約の日中共同精神に基づいてPending(棚上げ)にしていた。
Surprise No.2. 驚きその2: 黒田異次元金融緩和
2012年12月26日、「日本を取り戻す」、「デフレ脱却」、「経済再生」をスローガンに掲げた安倍自民が衆院選で勝利し第二次安倍内閣が発足、積極金融緩和論者の黒田東彦氏(当時アジア開発銀行総裁)を日銀総裁に、また従来の日銀金融政策に反対し続けてきたリフレ論者の岩田規男氏を副総裁に任命、黒田日銀は発足早々金融政策決定会合(4月4日)で従来のマネタリー・ベース(市場流通量)を2年で倍増、270兆円にするという、経済規模ベースでアメリカの緩和資金量の約3倍に及ぶ異次元金融緩和政策を発表、世界を驚かせた。
Surprise No.3. 驚きその3:靖国参拝
安倍政権が発足後、安倍総理、麻生副総理等主な閣僚が靖国神社参拝をし中国と韓国の反発を買った。靖国神社参拝そのものは政治家であろうと個人であろうと憲法第20条、「信教の自由は、何者に対してもこれを保障する」となっているので構わないが、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権利を行使してならない」となっているので誤解を避けるために国会議員は個人の資格で参拝することになっている。中国や韓国は1985年(当時は中曽根内閣)の終戦記念日の前まで韓国も儒教的精神の国だから日本の総理大臣や国会議員が靖国神社に参拝することに何の反感も抵抗も無かった。ところが同年の終戦記念日の直前になって朝日新聞が繰り返し「日本とアジアを苦しめたA級を合祀している靖国神社を総理大臣や国会議員が参拝していいのか」と訴え続け、当時の社会党の田邉誠がわざわざ中国に出向き「あなた方をなぶり者にしたA級戦犯を日本の国家指導者が参拝しても君達は平気なのか」と焚きつけたことから今日の靖国問題が産まれたのである。後に述べる慰安婦問題も朝日と社会党系の左翼分子の造語であり仕業である。私は朝日新聞を売国奴として責める前にNew York Times等アメリカのリベラル派が、終戦直後から朝日新聞や社会党などの左翼分子を洗脳し、新聞、テレビ等日本の報道の主導的地位の着かせた対日世論操作の巧みさに注目している。
遠くは19世紀から、アメリカと欧州の悪夢は「日中同盟」であった。
仮に現在日中が同盟関係になったら、政治は時間がかかるが世界経済はあっという間に日中が支配下になることは容易く想像出来る。
Surprise No.4. 驚きその4: 慰安婦是非論問題
橋下大阪市長、日本維新の党共同代表が戦時の韓国での特殊施設の必要性を認めるような発言をしたことで、こうした事がキリスト精神に反することを利用して韓国と中国が、先に述べたアメリカのリベラルを見方に付けオバマ政権と議会を対日批判に巻き込むことに成功した。アメリカは対日政治、経済戦略にとって日本と中韓の対立が深まった方が日本を御し易いので慰安婦問題で韓国の対日抗議に理解を示した。
日本の尖閣諸島国有化、総理、副総理靖国神社参拝、慰安婦問題に米中韓が日本批判の共同歩調を執ることが明らかになったのである。
そこで安倍首相としては、河野談話(1983年8月4日:慰安婦の謝罪)、村山談話(1995年8月15日:日本の侵略戦争の謝罪)に対して新たに別の見解の首相、官房長官の談話を用意するところであったが、米中韓の共同戦略で対日批判が増幅の度を増してきたので、上記談話を踏襲すると言わざるを得なくなった。
Surprise No.5. 驚きその5: 飯島北朝鮮訪問
内閣官房参与の肩書を持つ飯島勲氏は小泉政権の国民的支持と政権長期化を演出した希代の戦略家である。小泉内閣当時私は官邸で1時間ほどアメリカの対日戦略について対談をした事があるが、沖縄返還の裏工作をしたキッシンジャーにも負けない政治力学に長けたご仁であることを知った。
米中韓をツンボ桟敷において北朝鮮に行き、三国から文句が出る際の言い訳に日本特有の「拉致問題」の交渉に行ったなどとトボケて見せるほど用意周到さがある。
飯島氏の政治力学の程度は北朝鮮並みである。(北朝鮮は世界No.1の政治国家)
飯島訪朝前は朝鮮はミサイル発射は止める予定であるが飯島氏の訪朝で実行されることになるとインターネット・セミナーや、ラヂオもりおかで述べてきた。「表向きは良くないこと(ミサイル発射)が起きるが、裏では日本はアメリカ、中国、韓国に対して白星をいただくことになる」とも言っておいた。北朝鮮問題で今まで日本は6カ国協議に従ってきた(アメリカに従ってきた)。今回の飯島氏の訪朝を批判した韓国に対して北朝鮮は「会談の内容を知りもしないで批判するのは馬鹿げている」と言い、日本と北朝鮮が(表向きは拉致問題だが)一体何を話したのか、安倍・金正恩首脳会談でも計画しているのではないかなどと米中韓を疑心暗鬼に追い込んだ。韓国外務省は「緊密な協力関係の助けにならない」と批判するが、日本と韓国を引き裂いているのは韓国自身とアメリカだから、日本が北に直接接近してどこが悪い。
飯島訪朝には韓国に止まらず米中も不快感を表し批判をしているが、米中韓の批判は米中韓が困っている証拠。米中韓に今後の日朝関係を奇奇怪怪に思わせた日本と北朝鮮の方が役者が一枚上だったということ。外交戦略は困って文句を言う方の負けだから日本、北朝鮮の勝ちである。
安倍自主外交第一投はストライク!
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