日米株価上昇のトリック
4月2日の「ここ一番!」(私のタイムリーな市場情報紙)で、この上げ相場はマニピュレーション(価格操作)だから長続きしない。早く利益確定して「あばよ」が正解と述べ、次の買い時を待った方がいいと述べた。
ニューヨーク市場のS&P500は3月27日1,830ドルから4月3日1,890ドルまで連日上昇を続けた。ニッケイも3月27日の14,600円から4月3日の15,150円(ザラバ)まで連続上昇であった。今回の日米株価の急上昇の最大の原因はイエレンFRB議長が「どこまでも緩和策を続ける」、株価上昇でみんなが金持ちになることはいいことだと言わんばかりのDovish(ハト的)発言をしたから。
日銀の黒田総裁もイエレン議長発言に時を合わせて緩和続行はもちろん、緩和拡大を匂わす発言している。日米の中央銀行首脳のハト発言で日米株価が急速に上げたわけである。私はイエレン議長発言当時(3月27−29日)加州サンディエゴに近いCarlsbadで開催されていたOxford Clubの創立16周年総会に出席していた。Wall Streetの裏情報で有名なAlex Green氏から誘われたランチの席でイエレン発言の真意を聞かされた。また今回の小冊子Vol.55で詳しく述べているが、2008年のリーマン・ショックの3カ月前に前財務長官Henry Paulson(元ゴールドマン・サックスの会長兼CEO)にNYSE(NY証券取引所)の会議室に呼ばれ、米二大住宅金融公庫の破綻話を聞かされたアメリカの超大物30名(当クラブの影の支持者ウォーレン・バッフェット氏もその一人)の内の一人を兄に持つ弁護士M.S氏(匿名)からも誰が何故イエレン議長にこんな「ヨタ話」をさせたのか、そしてそれは何のためかを聞かされた。
「株式相場などまともにやっていられない」と痛感した。「裏の人々」と言えば聞こえが悪いが、こういう人たちがする通りにするしかないと言うのが私の結論であった。私に言えることは、とにかく「ここは一日も早く利益確定、相場から撤退である」。価格操作(Manipulation)などというような生易しいことではない。私はこうした方々の仲間に入れてもらえただけで本当にラッキー。
イエレンのハト発言で起きることは「株価上昇、金利下落」が方程式。
なのに、何故10年物利回り(金利)は3月27日の2.6%から4月3日の2.8%まで急上昇したのか。2008年6月ポールソン財務長官が前述の30名に「今回は国民の税金で大き過ぎて潰せない大手銀行を救済するが、(5年後の)将来はあり得ない」と言ったことに関係がある。この不思議な現象は大き過ぎて潰せない銀行が自らの救済のために「何か」をしているから。超健全とされている大手銀行は、本当はどうなのか。本日のインターネット・セミナーをお楽しみに。
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