第952号(2014年12月11日号)

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「宴の後」を待つ何か 

「私は選挙後株価が下がる」と述べてきたが、先読みの市場は昨日(10日)から下げに転じてきた。「目先の宴の後」とは衆院選後の調整であり、「本当の宴の後」に起きるのは「ニューヨーク株価の大暴落」である。
簡単に本当の宴の始まりから今日までを振り返って見よう。
FRB(連邦準備理事会)主導のもとに2008年リーマンショック後から始まった世界的金融緩和で増え続けた余剰資金は比較的Credit Crunch(信用喪失)の被害が少なく成長が続く中国やインドに流入し新興国にマネーインフレを起こした。邦銀は比較的健全経営をしていたためアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズのように倒産に追い込まれることはなかったので白川日銀総裁は「日銀券ルール」を守りマネタリーベース(市場に出回っている通貨量)を超える緩和策は採らなかった。しかしその結果超円高(1ドル70円台)になり輸入物価の下落は更なるデフレ加速となった。安倍首相はアベノミクス第一の矢(金融緩和政策)の実行のため日銀総裁を白川氏から黒田氏に切り替え、これを受けて黒田新総裁は就任早々2013年4月4日GDP(国内総生産)比でFRB(アメリカ)の三倍の量の異次元緩和政策を打ち出すことになった。日銀の月間緩和量は対日GDP三倍のアメリカ(FRB)の(当時)月間緩和量約8兆円と肩を並べる7兆円であった。日銀の異次元ならぬ異常緩和を受けて日米株価はまるで高値を競うように上げ続けた。そしてFRBはついに三期に及んだ緩和政策(QE3)を予定通り10月末で終えることを決定した為10月15日からNY株価は急落、このまま暴落に突入かと市場が不安におののくFRB緩和終焉日(10月末)を狙って黒田日銀総裁は10‐20兆円の大規模追加緩和政策を打ち出した。その結果日米株価は下げから一転して跳ね上がり昨日の日米同時株価急落までの1か月と10日間、連日のごとく最高値追いを繰り返すことになった。
私はバズーカ砲と呼ばれる「黒田追加緩和は三日天下」と言ってきたが、昨日(12月10日)で目先の宴である黒田効果は終わった。


では本当の宴の終わり(NYの大暴落の始まり)は何時か。
これも「ここ一番!」や「インターネット・セミナー」で繰り返し述べてきたが、引き金は欧州経済。日銀の追加緩和で追い込まれたECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁がドイツの反対を押し切って欧州債券買いに出れば、「ここ一番!」で解説した通り常識(債権を買えば利回りが下がる)を覆して金利上昇を招き、欧州の「新型信用崩壊」で「本当の宴の後」の事態となる。
今こそリスク市場(株式市場)からも日本を除く債券市場(リスク・オフ)からも撤退する最後のチャンスである。やがて円の独歩高と金(ゴールド)の急騰が見えて来ることになる。
この「世界経済の逆転劇」をCDに吹込みご支援くださる皆様にお贈りすることにした。




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