第970号(2015年3月6日号)

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尖閣諸島領有権

尖閣諸島の領有権をめぐって日中双方とも「固有の領土」との主張を繰り返してきたが自民党は3月5日、1969年中国の国家測量局(日本の国土地理院に相当)が尖閣諸島を「尖閣群島」と記し日本国領としている地図を入手、外務所省に提出した。
中国の公式な地図だけに日本の主張を裏付ける有力な証拠として注目される。
尖閣諸島を釣魚島として領有していると主張する中国の公式サイトの取り消しを求めた日本に対して、中国は拒否している。
今後日中双方の領有権主張合戦が活発になるだろう。


知っておかねばならぬことは第二次大戦直後から尖閣諸島は沖縄と共にアメリカに領有され、アメリカ合衆国憲法の下でアメリカの行政管理区域に置かれた事実と、1972年のアメリカからの沖縄返還にあたって尖閣諸島は返還されなかった事実。
日中の尖閣諸島領有権主張に対して「尖閣諸島問題は日中両国の問題」がアメリカの態度である事実。
アメリカが沖縄返還時に故意に尖閣諸島を除外したのは先行き日中尖閣諸島領有権争いに誘導し、アメリカがその裁量権を握る為であった。
尖閣諸島領有をめぐって日中が争えば争うほど両国にとってアメリカの意向が大きく影響する。
将来中国の軍事力、経済力がアメリカに逼迫してくることを読み自国の軍事力も経済力も使わず中国を牽制する為の布石である。
このことは何度か「小冊子」で解説してきた通りである。
今回の中国の国家測量局の地図で尖閣諸島の領有をめぐって日本の主張が有利になれば中国は尖閣諸島周辺の対日軍事威嚇を強化する。
日中関係が険悪になればなるほど両国に対するアメリカの発言力は増す。
またもや喜んでいるのはアメリカだけである。


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