ギリシャ対債権者グループの猿芝居はギリシャの勝ち!
6月27日のギリシャ支援の是非をめぐるギリシャと債権者グループ(IMFと欧州債権者群)の最終会議は、チプラスギリシャ首相が、債権者グループの支援条件は「欧州の価値観に反する最後通告であり、ギリシャ国民を侮辱しようとしている」と非難し、債権者グループからの財政緊縮条件は現政権としては受け入れられない、従って7月5日に選挙を行い国民に受け入れるか否かの信を問うと発表したことで債権者グループが求める要求は一旦反故にされた。
失業率が25%に達し不況下にあるギリシャに対する債権者グループの支援条件は、現行63才の年金支給年齢を70才に、公務員数と給与の削減、主要産業である観光の消費税増額等々でまるで「死人の足を引っ張るような条件」である。
従ってギリシャ国民は7月5日の選挙で債権者グループの条件受け入れを拒否するのは確実である。
チプラス首相は6月30日が期日のIMFへの返済額16億ユーロの返済を拒否しているのでIMFが期日延期を認めない限りギリシャのデフォルト(返済不履行)は時間の問題になる。
市場が昨日パニック化したのはギリシャの債務不履行とEU(欧州連合)離脱を同列に置いていたからである。
ギリシャのEU離脱はギリシャが望む場合のみ可能で欧州債権者がギリシャの離脱を強制することは欧州憲法上出来ないことになっている。
本書で北朝鮮を例に出して「ギリシャは一流の政治国だ」と述べたが、債券者グループへの「義務」(債務)は履行しないがEU加盟国としての「権利」だけは履行させるのだから今回の猿芝居の勝者は北朝鮮並の一流の政治国ギリシャである。
ギリシャにこうでもしてもらって欧州債権国の金融資産激減(欧州株価暴落)に追い込んでもらわないとギリシャの言いなりの支援条件に対する議会(国民)支持は得られない。
ギリシャがもし債権者グループのお国の事情まで思い計っていたなら超一流政治国である。
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