第1015号(2015年10月1日号)

増田俊男事務所 http://chokugen.com
携帯サイト http://mobile.chokugen.com/

米中首脳会談裏話決裂の結果

新しい二大国関係、南沙諸島周辺の軍用滑走路、サイバー問題、環境問題等々の議題は新しい米中大国関係以外は表向きで肝心なことは別にあった。
米中大国関係は米国が準備不足である為「前向きに進める」ことを確認しただけにとどまった。(準備とは日本の再軍備とアジア・太平洋の米同盟国を日本主導で対中軍事同盟化して中国の対米有利を去勢すること)
中国の軍事力は2020年には米国に追いつき追い越し、GDPはすでに購買力平価では米中は肩を並べているから、もし現段階でアジア・太平洋の秩序を米中の責任下にすると年々米中の力のバランスが中国寄りに傾きやがて中国優勢となる。
中国が主張する米中大国関係は、ブッシュ政権などと異なりオバマ政権は一貫して「弱腰外交」なので残り1年半の政権寿命内にアジア・太平洋に可能な限り覇権を拡大するための歯止めなので中国としては出来るだけ早く合意したいところ。アメリカが中国に臨むことは、FRBが過剰に抱え込んだ3.5兆ドル(約400兆円)の処分(FRBバランスシートの正常化)である。
中国は8月11日、より市場化した新しい為替管理方式を発表したが、米国に人民元切り下げだとプロパガンダされ人民元が急落(4%)した。市場の人民元売り圧力に対抗するため人民銀行は外貨準備のドル債券を売って人民元を買い支えている。その為8月から1,000億ドル(約12兆円)以上の米債が売られた。
中国はロシアと共にゆくゆくは米ドルを国際市場から追い出そうとしていることを知って米国が警戒している最中の対中米国債買いの要望だった。
一方中国はIMFのSDR通貨入りを切望しているがIMF決議に拒否権を持つ米国は5年にわたって反対してきた。
取引は「中国が今後米国債売りを止めて逆に買えば米国は人民元のSDR入りに反対しない」というもの。
中国はIMFの指導の下で着実に市場の自由化を進めているし、預金金利も年内に自由化する。今直ぐ金融市場を自由化すると、8月11日に米系ヘッジファンドに上海総合が売り叩かれたように米国に中国市場をコントロールされることになるので好ましくない。
IMFは諸般の事情を考慮して人民元のSDR入りの協議を来年の9月に延ばした。上海総合などは個人投資家が大半で規模が小さく、外資に狙われやすいので来年9月までに公的機関や大手国営企業などを参加させ外資の攻撃に対し国家が関与しなくても耐えられる市場にする予定。
「米中裏会談」で中国は人民元に関しては「米国なんか怖く無い」と言う中国の自信を示したことになった。
結果FRBは3.5 兆ドルを何とかさばかなくてはならなくなり、まずは何でもOKの日本に4分の一を押し付け、他は世界に強制的(利上げにより)に買わせることになる。
10月末のFOMCまでに方針が決まれば、昨年10月末に日銀に追加緩和(80兆円)をさせ、直後に緩和出口を発表したと同じ事(今度は利上げ)をする可能性が高い。米国経済、又世界経済がどうであれ、FRBのバランスシートの正常化が最優先である。
FRBが10月利上げなら日銀は追加緩和で再び円安・ドル高・株高。
12月なら、それまでは現状維持相場。
「FRBの利上げは年内も来年もない」と言ったが中国が人民元価維持の為とドル市場縮小の為米債売りを続けるならFRBも背に腹は代えられない。


増田俊男の「ここ一番!」お申込みはこちら
現在、増田俊男の「ここ一番!」をFAX又はe-mailにて配信しております。詳しいご案内、お申込みについては増田俊男事務所Tel:03 3955-6686、HP:www.chokugen.com まで。
【最近の配信履歴】
〇10月1日(木) No.571 今後の株価
〇9月30日(水) No.570 欧州の衰退
〇9月25日(金) No.569 フォルクスワーゲンは一過性
〇9月15日(水) No.568 「乱れ月」の9月

増田俊男の「目からウロコのインターネット・セミナー」大好評配信中!
1ヶ月わずか約¥1,000!ご契約は1年単位になります
現在大好評配信中!「目からウロコのインターネット・セミナー」!
視聴期間はお申込み翌月より12ヶ月となりますのでお申込み月は無料でご視聴頂けます。
1か月の平均配信回数は4〜6回になります。
詳しいご案内、お申込みについてはこちら

増田俊男事務所「2015年版商品のご案内」
<ご質問頂ける商品>●プライベート・コンサルティング ●「ここ一番!」●小冊子 ●CD
<否>●「目からウロコのインターネットセミナー」●「時事直言」●「時事直言」協力金御礼:「特別レポート(緊急レポート)」「CD」
詳細、ご質問につきましては増田俊男事務所(Tel:03 3955-6686、info@chokugen.com )まで。




増田俊男への講演依頼 受付中!
増田俊男事務所は依頼講演を承っています。
国際市場経済、政治、経営戦略等多岐にわたる「目からウロコ」の内容です。
お問合せは、増田俊男事務所(03-3955-6686)まで


増田俊男のラジオ放送、大好評放送中!
増田俊男の「逆手で勝つ!」〜日本復興のために〜(ラヂオもりおか)
月〜金曜日 午前8:20〜8:29
*インターネット生放送(サイマルラジオ)は下記URLから「ラヂオもりおか」をお選び下さい。毎日生放送でお聞き頂けます。http://www.simulradio.jp/
*ストリーミング放送は下記URLから1週間分をお聞き頂けます。
http://radiomorioka.co.jp/streaming/sakate_katsu/ (毎週土曜日更新)








前へ 平成27年度 次号へ
株式会社増田俊男事務所
FAX:03-3955-6466
e-mail : info@chokugen.com