「インドネシア高速鉄道受注ならず」が物語る
次回の「小冊子」(Vol.73)の原稿が数日中に書き上がる。
下記は原稿の一部である:
「インドネシアの高速鉄道日本受注間違いなし」と誰しも信じて疑わなかっただろう。40年間にわたる日本の対インドネシアODA援助は世界最大。
当の高速鉄道計画はJICA(国際協力機構)が2013年から計画してきた経緯があり、日本の手であらゆる調査が行われていた。ジョコ・ウィドド大統領(2014年10月20日就任)は3月22日から25日まで国賓として来日、天皇陛下会見、昼食を共にされるなどの歓待、さらに安倍首相は1,400億円の低利借款を約束する等で日本は入札結果を待った。ところが9月末大統領使者が訪日、すべての入札を白紙に戻すと通達。その後中国が落札したことが知らされた。
私は日本の敗退は「中国とインドネシアは同じ靴を履いて共に前進することが出来たのに、日本には共通の靴が無く、靴紐を上手に結ぶしか能がなかったからだ」と述べた。「虎(米国)の威を借る狐(官僚)」の官僚国家日本は独立国家ではないから他国のように「国の指針」も「国際戦略」もあり得ない。靴が無ければ靴は履けない。中国は「新シルクロード計画」という中国を起点に中央アジアから欧州に至る陸路と中国沿岸から中東に至る海路を結ぶ一大経済圏計画を推進している。一方ジョコ大統領は自国を「海洋の中軸」とする海洋国家を目指し、マラッカ海峡周辺のインフラ整備が急務となっているが双子の赤字で困っていた。中国の新シルクロード計画はジョコ大統領にとって「渡りに船」であった。
新シルクロード基金は人民銀行の所轄。小林総裁はジョコ大統領に「一切貴国に負担を掛けず、高速鉄道に限らず、あらゆる周辺インフラ整備も我が国の政府系ファンドに出資させる。我が国の援助で貴国のGDPが伸び、やがてアジアの海洋大国になってから払って下さい。我々は貴国財政が大黒字になって資金の使い道がなくなるまで支援しますから大船に乗ったつもりでいて下さい」と言ったらジョコ大統領は長い間泣いていたと私の友人(Mr. Q=南加州大教授、将来天津市又は上海市長に嘱望されている)が言っていた。
Q氏の口癖は「援助するなら援助せよ、決して援助と言う名の搾取をしてはならない」である。
IMF(国際通貨基金)、World Bank(世界銀行)、ADB(アジア開発銀行)等アメリカ主導の国際金融体制がどんな援助をしてきたかは2010年以来のトロイカ(IMF、EU、EC)がギリシャにどんな支援をしたかを見れば分かる。
トロイカは援助(融資)の条件として、緊縮財政、増税、福祉、年金カット、さらに国有財産を凍結した。
チプラス(ギリシャ)首相は、「トロイカは悪徳高利貸しだ。助けるのではなく盗むことを目的としている」と怒りに震えていた。
ギリシャは3月3日締め切りの中国主導のAIIB(アジア・インフラ・投資銀行)にいの一番で申し込んだ。
世界のマネーの流れが「気持ち」で動き出した。
資本主義の歴史始まって以来のことである。
日本も援助の為の援助をしないと今までの援助が無駄になる。
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