FRBと軍産複合体(軍事産業・Pentagon=国防総省・CIA)は同じ穴のムジナ(かつての「小冊子」で解説)
「アメリカの国家安全保障機関と物価や失業率などが専業のFRBとが共同体とは驚きました」と多くの読者から驚きが寄せられた。「アメリカの経済的・軍事的安全保障は総てドル基軸に掛かっている」は私の口癖であり真実。アメリカの潜在的財政破綻は中東原油取引通貨がドルであることと世界貿易決済通貨の50%以上がドルであることから完全に補完されている。(日本が中国から2億ドル分の雑貨を輸入すれば2億ドルのドル需要が創造されアメリカは2億ドルのドルを発行して国債=借金を払ってもドル価は変わらない)。軍産複合体の使命は世界を不安と恐怖に陥れ戦争を頻発させ兵器を売り捌くことである。
世界から兵器と言う名の高率(ドル高)の税金を徴収するのが軍産複合体の使命である。本日の「ここ一番!」でも述べたが、世界の投資家の最大関心事は今月16日に予定されているFRBの利上げ(0.25%)と、時を同じくして行われる日銀追加緩和であろう。FRBのイエレン議長は議会証言で、アメリカの経済ファンダメンタルズ(基本経済指標)は利上げ条件に見合っていると述べ16日の利上げを市場に織り込ませることに成功している。過去に本誌で述べた通り、アメリカの失業率、GDP(第3四半期上方修正)、自動車、住宅等の伸び等は総て捏造と言っても過言ではなく、真実はFRBが誰より一番よく知っている。
アメリカ経済の現実は利上げが出来る状態ではない。それなのに利上げをする以上、利上げの隠された目的はFRBのバランスシートや金利の正常化ではない。では何のための利上げなのか。それはFRB、ペンタゴン、CIA(軍産複合体)の共通目的である「ドル防衛」である。FRBが昨年10月末をもって緩和政策の出口とした時、そのショックを和らげ、さらにドル高を加速させるために日銀が80兆円の追加緩和を行った。その効果で中国をはじめ新興国から資金がニューヨークへ向かうトレンドが形成された。FRBが16日に利上げをすれば、新興国からの資金流出はさらに加速されることになる。利上げを待ち望んでいるのは軍産複合体だけではない。ウォール街(金融界)そのものである。
大手銀行は株価が天井を打って以来投資利益が望めなくなり、銀行本来の預金と融資の利ザヤに頼らざるを得なくなった為早期のゼロ金利解除(利上げ)を望んでいる。問題はFRB、軍産複合体、ウォール街が望む利上げ後である。
FRBと言うより、FRB、軍産複合体とウォール街に君臨する独占資本の次なる手は何かである。捏造とカラクリで作ったファンダメンタルズと、実需の数百倍の空売りで金価格を下げ(金が下がればドルが上がる)、原油価格を暴落させて(ドルが上がると原油が下がる)でドル高を保っている。そこで捏造とカラクリを徐々に暴露するとどうなるか。NY株価下落!新興市場の資金は最後の1ドルまでNYに吸い取られるだろう。独占資本は世界中から集まる資金に胡坐(あぐら)をかいて世界市場に睨みを効かすことになる。「ドル支配再現」!
「長い道のりだったが、ことは順調に進んでいる」とうそぶく常勝軍の声が聞こえる。
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【最近の配信履歴】
〇12月11日(金) No.593 利上げの真意
〇12月09日(水) No.592 下げはこの辺まで
〇12月07日(月) No.591 日銀追加緩和効果は?
〇12月04日(金) No.590 まだ憶えていますか?
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