1076号(2016年5月20日号)

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金融政策(価格操作)終焉後は政治プロパガンダ

FRB(米連邦準備理事会‐日本の日銀に相当)は2014年10月を緩和出口とし、2015年12月から9年ぶりに利上げ(0.25から0.5%)に踏み切ったが日銀は同日80兆円の追加緩和、ECB(欧州中央銀行)は翌年(2016年3月)からの1.3兆ユーロ(約150兆円)の量的緩和を発表した。
現在日銀もECBも緩和最後の手段マイナス金利に踏み込んだがターゲットの物価上昇(2%)と経済成長には効果がなく逆効果が顕著になってきた。
一方昨年からのFRBの利上げでドル高が続きアメリカの優良企業集団であるS&P500の3/4の業績悪化でテクニカル(2期連悪化)リセッション化、同じくドル連動による人民元高は中国経済にストップをかけている。
ドル高は、ドルにペッグしている人民元を押し上げ、2015年8月に行った人民元切り下げ効果を打ち消してしまった。
2月26日の上海合意(「小冊子」Vol.78、79で解説)は世界経済に最も大きな影響を与える米中経済の停滞をドル安(人民元安)で救済する為の主要国間合意である。
従ってドル安合意より、「原則として」今後日銀もECBも「追加緩和なし」(円高・ユーロ高)で出口模索、FRBは「原則として」利上げなし(ドル安)。
「原則」と言うのは「例外」を許すと言う意味。
例外とは「政治的配慮」を例外とすると言う意味。
つまり日本では参院選(7月)、アメリカでは大統領選(11月)の為の「選挙運動は例外とする」と言う意味である。
アメリカが日本を(市場)価格操作要注意国(ブラックリスト)に加えたのは「日本に価格操作(円安介入)を許さない」という現政権(民主党)の国民向けプロパガンダであり、麻生財務大臣や黒田日銀総裁の「介入余地有り発言」は、「10兆円以下の追加緩和で参院選直前に株価を上げる」と言う例外的選挙運動宣言である。
現米政権(FRB)はドル安と利上げ先送りで選挙前にNY株価を急騰させる工作(価格操作)をしているが、軍産複合体(共和党)は選挙前(10月)にNY株価大暴落を仕掛けてくる。
参院選を勝てば後は野となれ山となれの安倍政権は高みの見物。

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