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1116号(2016年10月24日号) | |||||
通貨戦争 ここで言う「通貨戦争」とは、2008年のリーマンショック以来のアメリカのQE1‐3(金融緩和)で始まったドル安政策と続く2013年からの日銀や欧州中央銀行による緩和政策(通貨安政策)ではなく、「国際基軸通貨であるドルに対する国際通貨戦争」のことである。 戦後ブレトンウッズ協定でドルが国際基軸通貨になり金1オンス=35ドルの金本位制が確立された。 戦後アメリカは世界最大の対外債権国であり、世界最大の国際収支黒字国であり、先進国も後進国も資金不足と製造能力低下でアメリカから資金導入と材料輸入で経済復興を図った。 「ドルなくして世界経済なし」の時代は1945年からニクソン大統領がドルと金の交換性を廃止した1971年8月15日まで続き、以後アメリカの国際経済覇権が揺らぎ始め、ついにアメリカは世界最大の対外債務国、国際収支赤字国に陥った。 「ドルなくして世界経済なし」の時代は終わったのである。 中国、ロシア、インドやイギリス、ドイツ、フランス等世界経済(GDP)の60%を超える23か国がドルを介さず通貨交換をするスワップ協定を結んだ。 人民元を主軸にするアジア・インフラ投資銀行(AIIB)に、アジア、中東、中南米、アフリカは言うまでもなく、アメリカが不参加を呼び掛けた欧州からもイギリスを筆頭に多くの国が参加、参加国は総勢57か国になった。(アメリカと日本だけ不参加) 戦後確立されたドル中心の国際通貨制度に代わる新しい制度の導入が進められている。 「国際通貨のドルなくしてアメリカ経済なし」! 「ドル崩壊はアメリカ経済崩壊」! 私は本誌で12月のFRBの利上げ予想について、アメリカ経済の現状はリセッションのリスクが迫っているので利上げなどあり得ないが、「FRBの理事たちが盛んに利上げの煙幕を張るのは政治的意味がある」と述べてきた。 アメリカは利上げモード、日本、欧州は緩和モード。 なのにドル安・円高進行、米長期国債が売られて利回りが上がっているのは何故か。 地平線のかなたにドル崩壊の入道雲が見え始めたからである。 たとえFRBが利上げをしても嵐を避けることは出来ない。 嵐の前に津波が来る! 今すぐ対策をしないとすべてを失う! 急げ! ★「市場を襲う異常津波警報」(Vol.83)お申込み、詳細はこちらをご覧下さい。 |
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