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1204号(2017年10月30日号)
メルトアップの真犯人

日経平均株価は9月初旬19,600円台から先週の終値22,008円まで2,400円、2か月で12%強の上げである。ニューヨークダウ平均株価も9月初旬22,200ドル台から先週終値23,434ドル、2か月で約6%上げている。ニッケイの上げはニューヨークの倍である。
日米株価高騰の理由として、経済の回復、順調な企業業績、日欧中央銀行の緩和続行、トランプ減税、大型インフラ投資などが挙げられているが企業業績は資産バブル効果であってイノベーションや生産性向上によるものではないし、トランプ減税、大型インフラ投資は11月の米議会でとん挫する。
有名ノーベル賞受賞経済学者をはじめIMFも今日の世界の株価はメルトアップであると警告を発しているが、いかなる悪材料でも好材料にして株価を押し上げるのがメルトアップである。
しかし市場が従わざるを得ない法則がある。それは私の「株式市場タライ論」。
タライ(市場)に水(資金)を入れると水嵩(株価)が上がり、水が減ると下がる。タライの一方(ドル側)に重し(金利)を掛けると一方の通貨(ドル)が上がり他方の通貨(円)が下がる。FRBは9月20日のFOMCで10月から12月は100億ドル、来年1月から3月は200億ドル、以後次々に縮小を重ね月額500億ドルまで資産縮小を続けると発表した。FRBは毎週水曜日に資産残高を発表するので第一週の10月4日を見ると4兆4,600億ドルであった。
次の10月11日は10億ドル減って4兆4,590億ドル、ところが10月18日は110億ドル米債を買い増して4兆4,700億ドルと100億ドル減るはずが逆に100億ドルの資産増になっている。10月FRB、ECB、日銀が足並み揃えて緩和なら株価が上がるのは当然であり、3月、6月、さらに12月利上げ予定でドルに重しが掛かり円安だからNYダウより余計にニッケイが上がるのは当然である。
では何故FRBは10月に資産縮小すべきなのに増大したのだろうか。
それはFRBがメルトダウンの亡霊に脅かされているからである。
FRBインサイダーのジム・リカード氏によると友人のFRB副議長は「なすべきことせず、誰かの利益の為にメルトアップをするようなFRBには居られない」と言って辞任を決意したそうだ。今後株価がどうなるかは、11月8日水曜日(日本時間9日)のFRB資産残高で決まる。この調子だと「クリスマス暴落」に信憑性が出てきた。
「ここ一番!」で電話サービスを開始しますので、特に11月9日、10日は連絡を密にしたいと思います。

 

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