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平成31年度一覧
1326号(2019年6月17日号)
はじめに 人間の歴史の原動力

人間の歴史とは、「人間社会」の歴史であって、一個の「人間」の歴史ではない。
「人間はか弱き一本の葦であるが社会的葦である」(パスカル・17世紀フランスの哲学者)。
一人の人間は社会なしには生存出来ないから、一個の生命の存続の為には社会の存続が優先されなければならない。
私の哲学は、パルカルと同じ「懐疑論者」と「我思う、ゆえに我あり」のデカルト(同時代のフランス哲学者)の明晰判断を重視する「普遍論者」の両哲学者を代表すると言っても過言ではない。
つまりパスカルは1+1=2は「真理」ではなく「仮定」であり、この世に100%確実なものは存在しない、だからすべては「不確実」であると言う。
デカルトは「我思う、ゆえに我あり」とし、自らに確実を求めようとする近代哲学の始祖である。
私は「自分は仮定である」からデカルトの普遍論も不確実であると思う。
私は「自分を自然又は神であると仮想し物事の真理を追究する」立場である。
勿論私自身も仮定であるが、二人より真実に近い追及が出来ると信じている。
「神の子が神に成りすます」という「図々しい増田哲学」である。
私は結婚直後に妻眞理子から聞かれた。
「あなたは何になりたいの」?
私の答え。
「私は神になりたい」!

歴史の原動力は「生命の原動力」でもある。
すべての生命は存在の為に設計されている。
すべての肉体の器官は生命存続の為に働き、細胞は成長力の基である。
子供は生まれた時、生命を支える何も持たず、両親は子供自らが生命を支えるまでの責任を持つ。
そして両親が衰え、自らの生命を維持することが難しくなると、成長した子供が両親の責任を負う。
これが「生命の特権と義務」である。
人間社会にも子供、青年、壮年、老年、他界がある。
今日の世界は誕生から老年、さらに他界すべき社会が入り乱れながら家長が変転している。
人間社会の原点に戻って今日の我々の現実を認識することで未来への道が見えてくる。
それが本書の目的である。

「カネがモノを言う」は「生命がモノを言う」と共通している。
年をとった通貨と誕生から15年経って青年になろうとしている通貨がある。
自分の生命に責任を持つ者は、変わる通貨に乗り遅れてはならない。
本書が永久保存版になることを信じる。

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