国連中心主義という小沢一郎の欺瞞 小沢よ、国連を知らずして、国連を語るなかれ! トーマス・シーファー駐日大使との対談や『世界』(岩波書店)への寄稿で、小沢一郎は下記のことを明確に表明している。シーファー大使に小沢は、「自衛権の発動は個別的であれ、集団的であれ、自国が攻撃を受けた場合に限ると憲法9条の解釈をしている。日本の平和と安全に直接関係のない地域での米国や他国部隊との共同作戦はできない。国連のPKO(国連平和維持活動)には積極参加する」。「アフガニスタンでPKOと同じ任務と性格を付与されているISAF(国際治安支援部隊)は国連で承認されているので参加できる」。『世界』では、「国連が承認しているPKO活動で自衛隊が武力行使をしても憲法に抵触しない」と、述べている。 以上が小沢の見解と主張である。小沢の憲法解釈は、「国連が承認したPKO活動なら、日本の平和と安全に直接関係のない地域での他国部隊との共同軍事行動は憲法に抵触しない」というものである。これが小沢の国連優位、日本国憲法下位説である。 国連の真実と現実 もし小沢が「国連の真実」と「国連の現実」を少しでも知っていたら、こんな、「非現実的で」、「世界の嘲笑の的」になり、「日本の国益に反する」、「馬鹿げた主張」は述べなかっただろう。国連とは、それぞれの国の国益に利用できるときは利用し、そうでないときは無視するのが国連加盟国の常識である。国連の真実の一端を述べておくので、ご参考に。
小沢民主党代表の賞味期限 このように、国連総会と下部機関は非民主国家によって、さらに安保常任理事会も非民主国家によって支配または制限されているから、国連憲章の目的である「自由で民主的な平和な国家の実現」はまったく「不可能」である。加盟国がそれぞれ一票の投票権を持っている限り、国連がその目的に向かって機能することは「絶対にあり得ない」のである。国連の真実と現実を知らず、国連を「国際社会のコンセンサス」などと言う小沢の主張は欺瞞か無知かいずれかでしかない。 「国連とは何か」を知らず、「何でも国連重視」は、国民に対する無責任の極みである。国連を憲法の上位に置く小沢は、一体何を考えているのだろうか。国連の真実を知れば、自衛隊を国連に任すような「無責任発言」は出てこないはず。民主党員全員が本気で小沢見解を支持するなら、民主党はアメリカは言うまでもなく自由主義社会から無視され、やがて消滅する。 前原、岡田、野田さん達に言っておきたい、今に小沢はちょうど田中角栄のように「ものすごい外圧」に曝されることを。菅さんも鳩山さんも小沢を利用して参院選に勝ったのだから、もう小沢に用はないはず。小沢の正体が明らかになった今、さっさと使い捨てたらどうか。これからの前原さんたちの世代と民主党のために。 小沢の賞味期限は参院選直後に切れていたことを忘れないように。 ついでに述べておくが、「国連改革」、「日本の常任理事国入り」などまったくのナンセンス。民主国家群だけの「民主国家連合」(United Democratic Nations)を作るべきである。 非民主国家を「飴と鞭」で民主化しながら、民主国家連合が民主国家と認定したら加盟させればいい。「自由と繁栄の弧」を日本の外交指針として打ち出した日本こそ、「民主主義国家連合」へ向けて先頭(イニシアティブ)に立つべきである。 (文中敬称略)
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