さあ、夏相場は来るか!?
まだ若干「夏相場、産みの苦しみ」が残っているようだ。
「原油価格は150ドルの天井を打ったら急落する」と述べてきたが、1バーレル120ドル台に下がってきた。今のところ株式、商品、債券市場とも私の予定通りのコースを歩んでいる。昨年は、「株は全部売って、現金枕に相場から遠のいてください」と言い、今年になってからは、「下がったら買って、上がっても売らない」を原則にしていただきたいと言ってきた。さあ、では8月からはどうしたらいいのか?今回発売するCD・テープ(夏の陣)には買ってはならない株と買うべき株について述べている。買ってはならない第一は、「自動車関連」。自動車メーカーは勿論、部品メーカーとその他関連会社。理由は原油高騰ではない。3年前の「需要の読み違い」である。アメリカのビッグ・スリーはもとより、トヨタを筆頭に日本のメーカーも総じて2008年からの自動車の予想販売台数を2000万台として生産体制を確立した。2008年の総販売台数はすでに1500万台以下になることが確実になったので、今後自動車産業の財務体質の悪化から存続体制維持上の問題が起きるところも現れる。日本でもアメリカでも自動車産業の他産業への影響力は大きいから自動車産業の不振は即景気の足を引っ張ることになる。アメリカは世界経済への影響力が大きくまた大きな責任を負っているので、いまやアメリカ経済を市場に委ねたままに放置するわけにはいかなくなった。そこで、自動車産業という平和産業から軍事産業へ経済牽引車を切り替える政策が進行している。
平和時代の経済は市場に従い、戦争時代の経済は政治に従う
私が今年になって、「今後の経済はファンダメンタルではなく、政治によって動かされる」と言ってきた背景にはこうした原則があったのである。2009年は「戦争の時代」である。
歴史上どんな戦争にも理由があったが、どんな理由も実はきっかけであって真の理由ではない。戦争は「起こるべくして起こる」ものである。ではどんな時に起こるのだろうか。
それは、「経済が市場にしたがっていると破綻してしまう」時である。
言うまでもないことだが、今のアメリカ経済を、このままの状態で市場のなすがままに放置したら破綻してしまうことは火を見るより明らかである。だから「戦争が起きる」のである。戦争が不要の時は、どんなきっかけがあっても戦争は起きないが、今日のように戦争が必要なときは、どんなことでも戦争のきっかけになる。
戦争成金、日本
日本経済が急成長した時は常に戦争が起こっていた。日本経済は朝鮮戦争、ベトナム戦争、米ソ冷戦と共に成長して来た。東西冷戦が終わった1991年から日本経済は長い不況のトンネルに入った。2001年9月11日アメリカに起きた同時多発テロとアメリカのテロとの戦争が始まったとたんに日本経済は好況に向かい始め、いざなぎ景気を上回る好況時代を向かえた。アメリカのイラク攻略から5年が経過し、中東の軍事情勢が硬直状態になると、株価も下がり、日本に不景気風が吹き始めた。今世界の責任ある本物の政治家が決して口には出さぬが、心底望んでいることは大規模な世界戦争である。これからの世界経済、特に日本経済は「すべては戦争で決まる」とだけ言っておくことにする。皮肉にも平和憲法を持つ日本にとって待ちに待った戦争の到来である。
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