出馬される方々は、ご自分は日本国指導者の資格があると思っていられるのでしょうか
積極財政、健全財政、規制緩和等々の政策論議の前に肝心な経済の基本議論が欠けている。日本の政治家の皆様も「人とマネーと情報に国境がなくなった」と口にするが、その意味するところがわかっていないようだ。各々方の言われる抽象的マニフェストからグローバル・センスはまったく感じ取れない。膨大な(日本の国家予算の数倍の)国際浮遊資金が日本市場へ誘導されれば日本経済はたちどころに好況になる。一国の経済戦略はグローバルな視点で構築されなければ何の効果も期待できない。アメリカの景気浮上策の「定番」は米国内経済のバブル(インフレ)化と国際(他国領土内での)戦争である。アメリカの株価と地価が上昇し始めるとアメリカ市場に世界の浮遊資金がFinancial
Vehicle (世界資金の渡し船)に乗って集まり始める。相乗効果でアメリカは資産バブルとなり、やがて崩壊する。世界が手にしたFinancial
Certificate(船荷証券に匹敵する金融証券)は紙くずと化すが、世界の浮遊資金がアメリカで形を変えたアメリカの橋も高速道路も(バブル崩壊後必要となる)兵器もすべてアメリカの資産として残る。バブルが崩壊しても株価が暴落してもアメリカが国益を損ねることはない。常に「世界の損はアメリカの得の原則」を貫くアメリカの政治指導者ここにありである。アメリカの資産バブルが崩壊すると、世界資金は急速にアメリカから逃避する。アメリカ経済は国際資金依存型だからバブル崩壊で国際資本が逃避すると直ちに国際資金の還流を計らねばならなくなる。資産バブル誘導型以外の対米国際資金還流策は「戦争」以外にないのである。2001年後半、ITバブル崩壊後の国際資金逃避で不況に陥りかかっていたアメリカがなぜ2002年から5年間も好況になったのだろうか。
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