第489(2008年09月19日号)国会議員号
ポールソン財務長官の慌てぶりは演出! すべては予定通り
昨日の本誌で、「今後はNYの暴騰で上げ相場が始まる」と書いたところ、「次はどの銀行だろうかと、米国の金融不安が加速して日米株価が年初来安値を更新し続けているときNYの暴騰なんかありえないのではないか」と言った抗議にも似た連絡が多くあった。ところが翌日(日本時間19日)、NYダウ平均は410ドルの「暴騰」,又ニッケイも431.56円の急上昇。これなら文句はないのでは。
さて、今回の暴騰の理由は、米財務長官ポールソン氏がRTC(整理信託公社)設立を議会に働きかけるとのニュースが伝わったから。私が、「今後は経済ファンダメンタルではなく政治が相場に大きな影響を与えることになる」と言い続けてきたことを思い出してもらいたい。空売り禁止、RTCは政治が決めること。今回の暴騰こそ政治が相場を動かした典型だ。昨日の本誌で、「国益のため世界資金をアメリカに強引に持ち込んだ投資銀行の役目が終わったので破綻に追い込み、それに貢献した空売り筋も用済みとなったので空売り禁止で切り捨てた」、さらに「今後は手に入れた海外資金が形を変えた諸々の国内資産の評価を上げる番である」と書いた。今回のNYの暴騰を見れば国益のためには手段を選ばぬアメリカのしたたかさがよく理解できたと思う。今後マケイン大統領が確実になれば、アメリカの国益にとってすべてが予定通りに進んでいることになる。
まだ乱高下は残るが、上下幅はだんだん狭まってくるはず。相変わらず毎日の上げ下げに一喜一憂しないこと。これからは経済番組に政治評論家の出演が必要になる。投資家は経済ファンダメンタルより世界政治に注目する必要がある。
新総理(麻生氏!?)への提言
『衆参両院同時選挙で天下の政治屋小沢一郎を奈落の底へ叩き落とし、自民党が単独過半数政権を樹立することが確実になることがやがてわかる。麻生氏は、ある一瞬に「奇跡」を起こすことになるだろう。9/8号』と本誌に書いた。麻生内閣誕生後時間が経過すればするほど与党にとって衆院選は不利になる。臨時国会で民主党に代表質問のチャンスを与えればなおさらである。また衆院選で政策論争をするのも得策ではない。選挙は「白か黒か」の単純な「二者択一」にすべきである。戦いを「麻生か小沢か」に集約し、政策は「方向性だけで」具体的論争は避けるべき。そのためには、「ねじれ国会で国会は麻痺。何も出来ないことがわかっているのに政策論争をしても始まらない。すべては絶対多数を取ってからだ」と、国民に理解してもらうことだ。そこで福田首相の辞任声明での小沢氏に対する「ぼやき」の文句を使うことだ。さて、麻生太郎氏の「太郎」が実にいい。「太郎が日本を再生する」!をキャッチフレーズにすべきだ。小沢一郎氏は、「一郎は一狼、一匹狼」。すなわち「小沢は独裁者」で「壊し屋」だ!福田氏が言ったように「聞く耳を持たぬ独裁者」のイメージを植えつける。さらに今までの政権壊しの事実を羅列する。麻生太郎氏は「日本を再生し、小沢氏は壊す」。小沢氏はねじれ国会を悪用し国会機能を麻痺させ、何でも反対の野合民主党の独裁者。世界に誇れる日本を再生する麻生か、なんでも反対、なんでもぶち壊す小沢か、それを決める時がきたと国民に訴える。
とにかく選挙は麻生対小沢の「イメージ合戦」にすべきだ。さて肝心の解散時期だが、国連総会を一足先に「日本再生麻生政権の宣言の場」にする。そして帰国後の臨時国会の冒頭で解散を宣言する。機能不全の国会での施政演説の必要も意義もない。選挙の洗礼を受けた新内閣の発足が早ければ早いほど国会と国民にとってプラスである。ならば1秒でも早く解散することだ。衆院選で自民が勝てば、参院民主党議員から10名以上が離党または自民に鞍替えするから、野党の参院支配は崩れ、ねじれ国会は解消、国会が機能する。小沢民主党政権不可能が明白になれば小沢氏の集権力は地に落ち民主党大離散もあり得る。
私は小沢氏と対談したこともあり、小沢氏に大変好感を持ち続けているが、ご自分の「政権欲」だけでは日本は救えない。読売の渡辺氏の自民・民主大連合構想を利用するのではなく、政権安定と世界に対する日本の国威のためにも真剣に取り組むべきだった。ご自分の「命」はご自分の政権欲のためではなく国家のために掛けてほしかった。惜しい天才政治家!
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