1.で私が述べたのは、やがてアメリカの投資銀行が消滅することを先読みしていたからである。アメリカにバブルを起こすために世界資金を集中させる担い手の消滅である。投資銀行なきNYはもはやNYではなく、世界の金融センターになり得ないのである。いつでも必要に応じて日銀から直接低金利資金供給が受けられる日本の銀行が、消滅しかかったアメリカの投資銀行の機能を買い始めた。まさにFrom New York to Tokyoが進行している。
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2.今夏の相場転換は単なる相場サイクルではない。根底に金融センターとしてのNYの機能不全がある。単に売り手市場から買い手市場への移行ではなく、今までとはまったくの逆現象、NYが東京市場に連動する大転換期がやって来たのである。だから今やNYの大下げでもニッケイは小幅とは言え上げているではないか。
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3.たとえ世界の金融センターが東京に移っても、日本は世界の政治センターにはなり得ない。ITバブル崩壊(2001年)による不況を好況に切り替えるきっかけは政治(テロとの戦争)なくしては不可能であった。だから東京が世界の金融センターになっても、今日の世界的不況を好況に切り替えるきっかけはアメリカの政治に負うことになる。アメリカの世界に対する政治責任において、遅くとも2009年年初に中東で国際戦争を起こすことになるだろう。
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4.2009年が国際戦争時代になるなら、アメリカの戦争総司令官にオバマよりマケインが適しているのは日を見るより明らかである。
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5.アメリカ経済は一時たりとも外資なしでは成り立たない。世界の金融センターが東京に移るということは、今までのアメリカの投資銀行の働きを日本の投資銀行、野村や大手銀行系証券会社が肩代わりすることを意味する。もし日本に経済的、政治的野心があるなら、アメリカの経済と政治に「支援」の名の元に大きな影響力を及ぼすことが出来る。いや、そうすることで日本の投資の保全を計ることができる。
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