第497(2008年10月30日号)

増田俊男事務所 http://chokugen.com

さあ、これからどうなるアメリカの株価

NYタイム29日午後2時過ぎ、FRB(連邦準備理事会)はFOMC(連邦公開市場委員会)でFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を0.5%引き下げ、年1%とすることを決定、即日実施した。NYダウは一時150ドルを超えて9000ドル台を回復したが、終わりは74ドル下げ8990ドルとなった。利下げが株価上昇要因と考えるのは、ちょうど円高が日本の輸出産業にマイナスと考えるのと同じく間違いである。景気が悪いから利下げをするのであって、むしろ株価下落要因なのである。それが証拠に利上げ時には必ず株価は上がっている。

さて、ここのところのNY株価急上昇で、底打ちは終わったと考えるべきだろうか。
アメリカの金融機関救済と正常化だけで不況の根を取り除くことが出来ると考えるのは早計である。金融政策はあくまで補助政策であって、肝心な不況対策は財政政策に求められなくてはならない。不況という経済成長減退を救うのは民間需要の喚起以外にない。適切な、特に雇用増大につながる公共投資なしに経済成長への転換など有り得ない。

本誌で何度も繰り返したように、今後アメリカが具体的な財政政策を打ち出さない限り経済成長も、株価上昇も有り得ない。したがってNYダウはまだ底など打っていない。

さあ、どうなる日本の株価

市場がもっとも神経を使っているのが、アメリカをはじめ世界の金融機関であり、金融システムである。日本の金融機関はアメリカの破綻寸前の金融機関を買い支える立場にあるのだから、世界の金融機関と同列で考えるべきではない。アメリカの金融機関の株価が暴落すると日本の銀行株も連れて下がってきたが、売るほうが下がるなら、買う方は上がって当然である。前回も述べたが、日本の市場参加者はまったくどうかしている、いやどうかされているというべきだろう。今後は本日のように、NYが下がってもニッケイは下がるどころか高騰する場面が多くなるだろう。当然過ぎるほど当然なのである。

さて、ニッケイは底を打ったのだろうか。以前から私は「7000円台は買い」と言ってきた。それは、7000円台が底だと考えていたからである。NYの急激な下げの勢いで一気に7000円を割る寸前まで下げたが、おかげで予想より早く底を打ったと考えている。ニッケイは底を打ったが、NYはまだである。

怖いのはオバマの当選

オバマがアメリカの大統領に当選したら、ニッケイの底打ちは取り消しとなる。
詳しくは、今好評のCD・テープをご参考ください。


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